ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

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Tremolada, Giovanni, et al.
"Biological behavior of primary osteosarcoma of the digits, metacarpal and metatarsal bones in dogs." 
Veterinary and Comparative Oncology.


PubMedリンク PMID:32687655
本文:無料公開なし

タイトル
:犬の指骨、中手骨、中足骨の原発性骨肉腫の生物学的挙動

==アブストラクト===
指骨、中手骨、中足骨から発生する骨肉腫はまれであり、ほかの部位と比べて予後が良い可能性がある。この研究の目的は、これらの骨に発生した骨肉腫の生物学的挙動、無進行期間(PFI)、生存期間(ST)について調べ、補助化学療法の効果はを評価することである。

2つの学術施設の医療記録を再調査し、15症例を組み入れた。シグナルメントと病歴について記述統計を用いた。無進行期間と生存期間の中央値の算出において、カプランマイヤー法を利用した。化学両方、リンパ球数、および単球数の予後への影響を調べた。ログランク分析を用い、グループ間の無進行期間と生存期間を比較した。全体の無進行期間と生存期間の中央値は377日と687日であった。評価したそれぞれの項目に有意な差はなかった。

この研究で、指骨、中手骨、中足骨の骨肉腫に罹患した犬は、肢の他の部位の骨肉腫の犬と比べて、生存期間が長いようだった。これらの結果を確かめ、補助化学療法の有益性の可能性を調べるためには、もっと患者数の多い研究が必要である。

Bandinelli, Marcele Bettim, et al.
"Ophthalmopathologic characterization of multicentric or metastatic neoplasms with an extraocular origin in dogs and cats." 
Veterinary Ophthalmology (2020).


PubMedリンク PMID:32687655
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬と猫の眼外期限の多発性または転移性腫瘍の眼病理学的特徴

==アブストラクト===
目的:剖検中に同定された犬と猫の二次的な眼腫瘍の頻度と分布の特徴を調べること。

方法:犬と猫の剖検記録の回顧的な分析を行い、眼外を起源として眼に浸潤している転移性/多発性腫瘍の症例を選出した。

結果:2015年から2019年の間に、転移病変を伴う犬233頭、猫100頭が同定された。これらのうち、犬の11.6%(27/233)と猫の13%(13/100)に眼の転移がみられた。リンパ腫は犬と猫の両方で、最も多い眼に浸潤する多中心性の腫瘍であった。犬では、これらの腫瘍は両側性に起こり、主に前ぶどう膜にみられ、びまん性大細胞B細胞性、Tリンパ芽球性、他に特定されない末梢T細胞性、リンパ球性B細胞性のリンパ腫であった。猫では猫白血病ウイルス(FeLV)関連のT細胞性リンパ腫が最も多かった。雌犬では乳腺癌が2番目に多い眼の転移腫瘍であり、主に片側性にぶどう膜にみられた。猫ではリンパ腫に次いで、肺癌と扁平上皮癌が多発性/転移性の眼の腫瘍として多かった。犬では胆管癌、血管肉腫、ケモデクトーマ、猫では乳腺篩状癌、唾液腺癌、組織球性肉腫、が個々の症例で検出された。

結論
:犬の眼は多発性/転移性の腫瘍として、リンパ腫または乳腺眼によって浸潤をうけることが多く、猫ではリンパ腫、肺癌、扁平上皮癌によって浸潤をうけることが多かった。われわれの知る限りこの研究は、犬における胆管癌とケモデクトーマ、猫の唾液腺癌の眼内転移を同定したものである。

Kathrani, A., et al.
"The use of hydrolysed diets for vomiting and/or diarrhoea in cats in primary veterinary practice."
 
Journal of Small Animal Practice (2020).


PubMedリンク PMID:32895973
本文:無料公開あり(全文

タイトル:一次獣医診療における猫の嘔吐および/または下痢に対する加水分解食の使用

==アブストラクト===
目的:病因不明の慢性の嘔吐および/または下痢に対して併用薬ある/なしで加水分解食を処方された猫の反応を調べること。

方法:2016年にVetCompassデータベースから得られたイギリスの獣医診療所の512,213頭の猫の匿名の記録を、加水分解食に関連した単語で検査した。加水分解食を処方された記録のある5569頭の猫のうち、5000頭(90%)の記録を、胃腸の適応症、以前の投薬、併用薬、および加水分解食介入後の反応についてランダムにレビューした。反応不良は、食事開始後の来院時に嘔吐/下痢の治療として抗菌薬またはグルココルチコイドが処方された、または最低6ヵ月の追跡期間中に消化器徴候による死亡、と定義された。

結果:慢性嘔吐/下痢に対して加水分解食が処方された猫977頭中、697頭(71%)は抗菌薬またはグルココルチコイドの併用なしで最初に食事が処方され、一方、280頭(29%)は最初からこれらの薬剤と食事が併用された。前者のグループの猫の34%、および後者のグループの猫の61%が、反応不良であった。6歳以上の猫と、食事と併用してまたはそれ以前に嘔吐/下痢に対して抗菌薬および/またはグルココルチコイドが処方された猫へ、反応不良となるオッズ比が高かった。

臨床的意義
:観察結果の変動は、徴候の重症度や一次診療獣医の処方習慣を反映している可能性があるが、この研究は、診断検査で原因が明らかとなっていない慢性の嘔吐/下痢のある猫において、反応が良くない症例に抗菌薬および/またはグルココルチコイドの治療を試す前に、単独療法として加水分解食を試すメリットがあることを示唆している。


==本文から===
利益相反:なし

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