ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

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Sériot, Paul, et al.
"Treatment and outcome of spontaneous pneumothorax secondary to suspected migrating vegetal foreign body in 37 dogs."
 
Veterinary Record (2021): e22.


PubMedリンク PMID:34109631
本文:無料公開なし

タイトル:移動性の植物異物の疑いに続発する自然発性気胸の治療と転帰;犬37頭

==アブストラクト===
背景:この研究の目的は、移動性植物異物の疑いに続発する自然気胸の手術所見、治療、および転帰について記載すること。

方法
:この回顧的研究では、移動性植物異物の疑いに続発する自然気胸の疑いに一致するCTがあり、胸部外科を行った犬を含めた。症例はCTで移動性植物異物を同定できたか(グループ1)、疑いにすぎなかったか(グループ2)のいずれかで2つのグループに分けられた。

結果
:犬37頭が組み入れられた(グループ1が21頭、グループ2が16頭)。グループ1の犬21頭中18頭、グループ2の犬16頭中10頭で、手術中に移動性植物異物が同定された。CTによる罹患肺葉と外科所見の一致は、肺葉40個中34個で観察された。37頭中9頭で、移動性植物異物の証拠なしに肺の穿孔がみられた。肺葉切除39件が行われ、完全切除が15件、部分切除が24件であった。気胸の再発はなかった。4頭の犬で、最初の手術から1.5-3ヶ月後に、二次的な瘻管のために移動性植物異物の除去のための2回目の手術が必要であった。

結論
:CTで計画した外科アプローチにより、すべての症例で気胸が改善し、重大な合併症なく、非常に良好な短期転帰となった。CTは85%の症例で穿孔した肺葉の評価に有用であった。CTで特定された移動性植物異物が手術中に見つからなかった症例の33%で、遅発性の瘻管による臨床徴候がみられた。

José‐López, Roberto, et al.
"Clinical features, diagnosis, and survival analysis of dogs with glioma." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).


PubMedリンク PMID:
34117807
本文:無料公開あり(全文

タイトル:グリオーマの犬の臨床的特徴、診断、および生存分析

==アブストラクト===
背景:犬のグリオーマはいまだによく理解されていない。

目的:比較脳腫瘍共同体診断分類を使用したグリオーマのある犬の大規模サンプルにおける臨床的特徴、画像診断の特徴、および生存についての特徴を調べること。

動物:病理組織学的にグリオーマと診断された犬91頭。

方法:多施設回顧的症例シリーズ。シグナルメント、臨床病理学的所見、画像診断の特徴、治療、および転帰についてを用いた。腫瘍は、新イヌグリオーマ診断スキームにのっとって再分類された。

結果
:臨床病理学的所見または生存と、腫瘍にタイプまたはグレードの間に関連はみられなかった。しかし、中央生存期間は、緩和治療(26日;95%信頼区間 11-54)に比べて、根治治療(84日;95%信頼区間45-190)により有意に改善した。MRIでは、乏突起膠腫(oligodendroglioma)は、なめらかな辺縁と、T1強調像の低信号が、星細胞腫(astrocytoma)(オッズ比 42.5、95%信頼区間2.42-744.97、p=0.04;オッズ比 45.5、95%信頼区間 5.78-333.33、p<0.0001)に比べて、また未分類グリオーマ(オッズ比 84、95%信頼区間3.43-999.99、p=0.02;オッズ比 32.3、95%信頼区間 2.51-500.00、p=0.008)に比べて、関連が高く、星細胞腫よりも脳室と接していることが多かった(オッズ比 7.47、95%信頼区間 1.03-53.95、p=0.049)。周囲の脳の構造への腫瘍の広がりは、高グレードなグリオーマと関連した(オッズ比 6.02、95%信頼区間 1.06-34.48、p=0.04)。

結論と臨床的意義
:グリオーマのある犬は予後不良であるが、生存分析で同定されたリスク因子は予後に関する情報となり、新たに同定されたMRIの特徴は、腫瘍のタイプとグレードの診断を洗練させることができる。

Longo, Sara, et al.
"Association of magnetic resonance assessed disc degeneration and late clinical recurrence in dogs treated surgically for thoracolumbar intervertebral disc extrusions."
 
Journal of Veterinary Internal Medicine 35.1 (2021): 378-387.


PubMedリンク PMID:
33283382
本文:無料公開あり(全文

タイトル:胸腰部椎間板突出を外科的に治療した犬におけるMRI評価の椎間板変性と遅発的な臨床的再発との関連

==アブストラクト===
背景:椎間板の石灰化のレントゲン所見は、将来的な椎間板突出(ハンセンⅠ型)の再発部位を示していると考えられているが、MRIでの椎間板変性の所見と、将来的な臨床徴候を伴う椎間板突出の再発の関連については調べられていない。

目的:急性の胸腰部椎間板突出で来院して片側椎弓切除のみで治療された犬における、MRIで評価した胸腰部椎間板の変性と、遅発性の臨床徴候の再発の間の関連について調べること。

動物:2009年から2014年の間に2つの紹介病院に来院した家庭飼育犬92頭。

方法:回顧的解析により、急性の椎間板突出で片側椎弓切除を行った犬における、胸腰部椎間板突出に一致する臨床徴候と椎間板変性を示すMRI所見との関連を調べた。単変量および多変量コックス回帰分析を行い、臨床徴候の再発と、初回診断時のT10-L3椎間板の特徴の関連を明らかにした。

結果:92頭が組み入れられ、そのうち42頭がダックスフントであり、年齢の中央値は5.3歳齢であった。臨床徴候の再発は33/92頭(36%)でみられた。手術時点でのT10-L3領域の椎間板の完全な変性所見は、臨床徴候の再発に対してハザード比2.92(95%信頼区間 1.37-6.20)で関連していた。

結論と臨床的意義
:私たちの結果は、胸腰部椎間板突出の犬の症例集団において、現在の症候性の椎間板に加えてMRIで確認できる椎間板の完全な変性が1つ以上あると、臨床徴候の再発が起こりやすいことを示唆している。

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