ねころんで探せる小動物医療のジャーナルクラブ

小動物臨床の獣医師が、臨床に役立ちそうな論文情報をちょっとづつアップします。ねころんでいても論文検索ができればいいなと。

ようこそ!このサイトについてと自己紹介 http://nekoronde-vet-journal-club.blog.jp/archives/cat_102769.html

Foreman, Max, et al.
"Serum C‐reactive protein in dogs with paraplegia secondary to acute intervertebral disc extrusion." 
Journal of Veterinary Internal Medicine (2021).

PubMedリンク PMID:
34085305
本文:無料公開あり(全文

タイトル:急性椎間板突出による対麻痺のある犬における血清C反応性タンパク

==アブストラクト===
背景:痛覚の消失を除けば、急性椎間板突出に続発する対麻痺のある犬の予後予測に容易に利用できる検査はない。

目的:椎間板突出の外科治療を行った対麻痺のある犬において、血清C反応性タンパク(CRP)が術後の転帰を予測するかどうかを評価し、血清CRPと入院時の痛覚の有無、および血清CRPtおMRIにおける脊髄内の変化の有無、との関連について評価すること。

動物:2018年から2020年の間に私たちの病院で、椎間突出に続発する対麻痺のために手術をうけ、血清CRPの測定を行った犬100頭。

方法:回顧的観察コホート研究。犬は痛覚の有無によって修正フランケルスコアによる4または5に分類された。MRI画像をレビューし、T2強調像高信号:L2椎体長を測定した。術後の転帰は減圧手術後の痛覚、歩行、またはその両方がもどった時に良好と定義した。

結果
:CRPの中央値(95%信頼区間)は、修正フランケルスコア4の犬で4mg/L(4-5)、スコア5の犬で6mg/L(4-7)であった(p=0.03)。CRPとT2強調像高信号:L2椎体長の間には弱い線形相関(R2=0.049、p=0.03)がみられた。転帰に関するデータは85頭で入手可能であり、転帰良好な犬のCRPは4mg/L(4-5)、転帰不良な犬のCRPは5mg/L(4-10)であった(p=0.32)。

結論と臨床的意義
:血清CRPは、椎間板突出による対麻痺の犬の術後の転帰を予測しなかった。



Fudge, James Mack, et al.
"Blood loss and coagulation profile in pregnant and non-pregnant queens undergoing elective ovariohysterectomy." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2020): 1098612X20959610.


PubMedリンク PMID:33030098
本文:無料公開あり(全文

タイトル:予定手術としての卵巣子宮摘出術をうけた妊娠中および非妊娠中のメス猫における失血と凝固の特徴

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、待機手術としての卵巣子宮摘出術をうけた妊娠している猫において術中出血のリスクの増加があるかどうかを調べ、全血をもちいた粘弾性活性によって発情と妊娠のさまざまな段階における雌猫の血液凝固状態を比較することである。

方法:術中の失血を、待機的な卵巣子宮摘出術を行った非妊娠猫と妊娠猫で比較した。術前・術後の全血の粘弾性評価は、院内即時検査デバイスで、血餅時間(CT)、血餅形成時間(CFT)、α角、最大血餅形成(MCF)、10分および20分の振幅(A10、A20)、および最大血餅形成後のの30分および45分での融解指数(LI30、LI45)を測定した。

結果:腹部正中切開による卵巣子宮摘出術を猫193頭で行った。失血量の中央値は、非妊娠猫(<0.5ml 範囲<0.5−15ml)よりも妊娠猫(2.0ml 範囲 <0.5-13ml)のほうが多かった。術前検査では、非妊娠猫に比べて妊娠猫ではCFTの中央値が短く(165秒 vs 190.5秒)、A10の増加があり(25.5から31VCM単位へ)、A20の増加があり(35から38VCM単位へ)、LI45の中央値が低かった(100%から99% へ)。術後の検査では、非妊娠猫と妊娠猫の療法で、A10とA20が増加し、LI30とLI45が減少した。妊娠猫では、血餅時間の平均が術後に増加した。

結論と意義
:妊娠猫は非妊娠猫と比べて、比較的に凝固亢進状態にあり、血餅融解率が増加していた。術中失血は、非妊娠猫よりも妊娠猫の方が多かったが、臨床的な問題となる出血状態にはならなかった。

Kennedy, Alexandra J., and Joanna D. White.
"Feline ureteral obstruction: a case-control study of risk factors (2016–2019)." 
Journal of Feline Medicine and Surgery (2021): 1098612X211017461.


PubMedリンク PMID:
34076537
本文:無料公開なし

タイトル:猫の尿管閉塞;リスク因子についての症例対照研究(2016-2019)

==アブストラクト===
目的:猫の尿管閉塞は急性腎障害の原因となり、典型的には外科介入が必要となる。予防戦略のためには、修正可能な潜在的なリスク因子についての情報が必要である。

方法:猫の尿管閉塞に関連するリスク因子を評価するために症例対照研究を行った。症例は、以下のいずれかの猫として定義された;(1)腎盂造影によって確定された尿管閉塞(尿管結石13/18、不明5/18)または(2)腹部超音波検査による両側の尿管閉塞(尿管結石6/10、血餅3/10、膿腎症1/10)と腎盂拡張≧5mmを伴うクレアチニン濃度の上昇>140μmol/l。対照群は、病歴、身体診察、腹部超音波検査において尿管閉塞の所見のない猫と定義した。年齢、性別、品種(短毛/長毛)、食事(主にドライフード、主にウェットフード、または混合)、生活環境(屋内または混合)、および血漿総カルシウム、について尿管閉塞との関連を多変量ロジスティック回帰を用いて評価した。受信者動作特性(ROC)曲線を作成し、最終的なモデルの予測能力を評価した。

結果:合計で168頭(症例28頭、対照140頭)が組み入れられた。年齢、性別、品種、生活環境、および総カルシウムについてはいずれも尿管閉塞と有意な関連はなかったが、食事は関連があった。主にウェットフードを食べている猫に比べて、主にドライフードを食べている猫では、尿管閉塞を15.9倍起こしやすかった(95%信頼区間 2.9-295;p=0.009)。混合食を食べている猫と、主にウェットフードを食べている猫の間には、食事と尿管閉塞の関連についての差はなかった(p=0.25)。ROC下面積は72%であった。

結論
:食事組成の変更は、尿管閉塞のリスクを減らすためのシンプルで経済的な方法である。

↑このページのトップヘ