Ellison, Gary W., and Lysimachos G. Papazoglou.
"Long-term results of surgery for atresia ani with or without anogenital malformations in puppies and a kitten: 12 cases (1983–2010)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 240.2 (2012): 186-192.

PubMedリンク PMID:22217027
本文:googlescholarからresearchgateで入手可能(全文) 

タイトル:子犬と子猫の肛門と性器の奇形のあるまたはない鎖肛に対する手術の長期結果;12症例(1983-2010年) 

==アブストラクト===
目的
:肛門と性器もしくは直腸と性器の奇形をを伴うまたは伴わない様々なタイプの鎖肛の外科的修復をうけた子犬と子猫に関する、シグナルメント、臨床所見、外科治療、および長期的な転帰について評価すること。

デザイン
:回顧的症例シリーズ。

動物
:子犬11頭、子猫1頭

方法
:2つの獣医教育病院の医療記録を、鎖肛の外科的治療をうけた子犬と子猫について再調査した。シグナルメント、診断、手術手技、追跡期間、および転帰に関する情報を記録した。過去の述べられている分類スキームを用い、鎖肛をタイプⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳに分類した。追跡期間と転帰について評価した。

結果:鎖肛は、3頭がタイプⅠ、6頭がタイプⅡ、3頭がタイプⅢに分類された。12頭中9頭で肛門と性器の奇形、もしくは直腸と性器の奇形がみられ、それらのうち8頭で直腸膣瘻がみられた。11頭では本来の位置での肛門形成術が行われ、1頭では直腸膣瘻を肛門の再建に使用する手術が行われた。6頭ではさらに肛門狭窄に対する治療としてバルーン拡張術が行われ、5頭では補正的な肛門形成が行われた。タイプⅠまたはⅡの鎖肛の全ての患者が1年以上生存した。 タイプⅢの鎖肛の子犬2頭は、手術後3日および40日で安楽死された。残りの10頭の追跡期間は12〜92ヶ月であり、3頭では便失禁があった。

結論と臨床的意義
;タイプⅠもしくはⅡの鎖肛の外科的な修復は、長期生存の結果となり、多くの症例で便意は抑制された。患者数は少ないものの、タイプⅢの鎖肛の患者は、タイプⅠまたはⅡの患者よりも不良な転帰となった。