Sturges, Beverly K., et al.
"Clinical signs, magnetic resonance imaging features, and outcome after surgical and medical treatment of otogenic intracranial infection in 11 cats and 4 dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 20.3 (2006): 648-656.

PubMedリンク PMID:16734103
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タイトル
:11頭の猫と4頭の犬における耳性頭蓋内感染についての臨床兆候、MRIの特徴、および外科・内科治療後の転帰

==アブストラクト===
中枢への感染の波及によって起こる脳幹の機能不全は、中内耳炎における命に関わる合併症であり、犬と猫で稀に述べられている。 

我々は、犬と猫の耳性頭蓋内感染に起因する脳幹障害について、臨床徴候、診断所見、および外科的・内科的に治療した結果について再調査した。

11頭の猫と4頭の犬が、急性、亜急性、または慢性の脳疾患の臨床徴候(中枢性前庭徴候、意識障害、異常な姿勢/歩行、脳神経障害、発作)のために検査をうけた。ミニマルデータベース(CBC、血清化学パネル、尿検査、胸部レントゲン、腹部超音波検査またはレントゲン)は、すべての動物で参照範囲内であった。頭部の磁気共鳴(MR)画像がすべての動物で得られ、猫11頭中9頭、犬4頭中3頭で脳脊髄液(CSF)の検査が行われた。外科的な探索と腹側鼓室包切開が、15頭中12頭で行われ、その後に続く1-3ヶ月間の抗菌薬治療が行われた。残りの動物は治療の前に安楽死された。すべての動物で、MRIは頭蓋内および中内耳の構造の病的な変化の部位と広がりを調べるのに有効であった。CSF分析の結果では、急性もしくは亜急性の疾患をもつ動物のほとんどで細菌感染の特徴があった。

治療を行ったすべての動物で長期的な転帰は非常に良好であることから、中内耳炎の波及による頭蓋内の二次的病変をもつ犬と猫は、病態が診断され、外科的探索および適切な抗菌薬治療が行われた場合に、良好から非常に良好な予後であると結論づけた。