Makielski, Kelly M., et al.
"Development and implementation of a novel immune thrombocytopenia bleeding score for dogs." 
Journal of veterinary internal medicine 32.3 (2018): 1041-1050.

PubMedリンク PMID:29681130
本文:無料公開あり(全文

タイトル: 犬の新たな免疫血小板減少症の出血スコアの開発と導入

==アブストラクト===
背景:免疫血小板減少症(ITP)のある犬における臨床的な出血を定量化する方法が必要とされるのは、ITPの患者が様々な出血傾向を示し、それは血小板数との相関に一貫性がないからである。スコアリングシステムは、患者の比較を容易にし、臨床試験における出血の重症度に基づく階層化を可能とする。 

仮説/目的
:犬の出血評価ツールと、その持続的な実施を改善するためのトレーニングコースを開発して評価すること。

動物
:血小板数が<50,000/μlの家庭飼育犬61頭;34頭が原発性のITP、17頭が二次性のITP、10頭がITPではない。

方法
9つの解剖学的部位における出血のグレード0(無し)から2(重度)によって構成される新しい出血評価ツールであるDOGiBATを開発した。血小板減少症の患者のスコアリングを行う前に、臨床医および看護師はトレーニングコースと小テストを完了した。トレーニングコースは、事前のトレーニングの有無にかかわらず、無作為のボランティアの学生に小テストに答えてもらうことで評価した。ロジステジック回帰モデルにより、トレーニングと小テストの性能の間の関連を評価した。血小板減少症の犬におけるDOGiBATのスコアと血小板数および測定結果との相関を評価した。

結果:臨床医と看護師は常にDOGiBATを適用し、すべての小テストの症例について正確にスコアリングした。訓練をうけた学生の回答の正確性のオッズは、訓練されていない学生のものよりも高かった(p<0.001)。臨床症例では、DOGiBATスコアと血小板数は逆相関し(rs=-0.512, p<0.001)、DOGiBATは輸血の必要性(rs=0.512, p<0.001)および入院期間(rs= 0.35, p=0.006)と直接相関した。

結論と臨床的重要性
:DOGiBATおよび評価小テストは、出血の重症度を評価するために標準化されたシンプルなツールである。さらなる検証により、DOGiBATは、ITPの重症度を特徴付け、治療試験の反応をモニターするための臨床的に適切な測定基準を提供する可能性がある。


==本文から===
DOGiBAT:daily canine bleeding assesssment tool(日常の犬出血評価ツール)

スコア方法の詳細(Table1を引用、一部改変)
 DOGiBAT.001