Zidan, Natalia, et al.
"A randomized, blinded, prospective clinical trial of postoperative rehabilitation in dogs after surgical decompression of acute thoracolumbar intervertebral disc herniation." 
Journal of veterinary internal medicine 32.3 (2018): 1133-1144.

PubMedリンク PMID:29635872
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タイトル: 急性胸腰部椎間板ヘルニアの減圧手術後の犬における術後リハビリテーションについてのランダム化盲検前向き臨床試験

==アブストラクト===
背景
:脊髄損傷後のリハビリテーションの利益は経験的な根拠が示しているが、急性のオープンフィールド歩行スコアの手術後の回復におけるリハビリテーションの効果に関する客観的な情報は限られている。

目的
:ランダム化盲検前向き臨床試験により、急性胸腰部椎間板ヘルニアの犬において基本的および集中的なリハビリテーションプログラムが運動の改善に与える効果を比較すること。

動物
胸腰部椎間板ヘルニアの減圧手術後の歩行不可能な不全麻痺または対麻痺(痛覚あり)の犬30頭。

方法
:盲検化前向き臨床試験。犬は、基本的もしくは集中的な家庭でのリハビリテーションプロトコールに1:1にランダム化された。14日でのオープンフィールド歩行スコアと協調(調整指数)を主要アウトカムとした。二次評価として歩様、術後疼痛、体重について14日と42日で比較した。

結果
:評価した50頭のうち、32頭が組み入れ基準をみたし、30頭がプロトコールを完了した。リハビリテーションに関連する有害事象はなかった。歩行までの中央機関は7.5日(2-37日)であった。 オープンフィールド歩行スコアの変化の平均は基本プロトコール群で6.13(信頼区間;4.88,7.39)、集中プロトコール群で5.73(4.94,6.53)であり、表される治療効果はー0.4(ー1.82、1.02)で有意な差はなかった(p=0.57)。14日の調整指数は基本プロトコール群で55.13(36.88, 73.38)、集中プルトコール群で51.65(30.98, 72.33)であり、治療効果はー3.47(ー29.81, 22.87)で有意ではなかった(p=-.79)。両群で二次アウトカムについて差はなかった。

結論
胸腰部椎間板ヘルニアの手術後の早期の術後リハビリテーションは、安全ではあるが、不完全な脊髄損傷のある犬の回復の速さもしくはレベルを改善させない。