Barnes Heller, Heidi, et al.
"Serum levetiracetam concentrations and adverse events after multiple dose extended release levetiracetam administration to healthy cats." 
Journal of veterinary internal medicine 32.3 (2018): 1145-1148.

PubMedリンク PMID:29671898
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:健康な猫に徐放性レベチラセタムを複数回投与した後の血清レベチラセタム濃度と有害事象 

==アブストラクト===
背景:猫に抗てんかん薬を複数回投与することは飼い主にとって大変なことである。徐放性レベチラセタムは1日1回の投与間隔が推奨されているが、猫における徐放性レベチラセタムの複数回投与は評価されていない。

目的:健康な猫に対して徐放性レベチラセタムの1日1回の投与を11日間行ったあとの血清レベチラセタム濃度と臨床的有害事象について評価すること。

動物:家庭飼育されている9頭の猫、体重は5kg以上。

方法:徐放性レベチラセタム(500mg/cat)を24時間間隔で10日間投与した。11日目にトラフ値、薬の投与後4時間、6時間、8時間で採血を行った。研究期間中、飼い主が有害事象の記録を続けた。血清中のレベチラセタムは、猫で有効な免疫測定法で定量化した。

結果:投与中央値は94.3mg/kg 24時間毎であった。 トラフ値、4時間、6時間、8時間の血清レベチラセタム濃度の中央値(範囲)はそれぞれ、7.0(2.3-14.1)、82.6(7.8-125.3)、92.3(13.3-97.3)、72(22.8-96.4)μg/mlであった。4頭の猫では、サンプルミス(n=2)と最大濃度(Cmax)に到達しなかった(n=2)ため、ピークが観察されなかった。残りの5頭における最大濃度時間(Tmax) の中央値は5.2時間(範囲 4-6)であった。有害事象は最小限であり、運動失調(n=1)、嘔吐もしくは逆流(n=1)が含まれた。すべての徴候は投与量の調節もしくは追加の治療なしに改善した。

結論と臨床的重要性
:血清レベチラセタム濃度のトラ値の平均は5μg/ml以上となり、 投与期間中を通して有害事象は最小限であり、それは薬剤がよく許容されたことを示している。徐放性レベチラセタムの1日1回の投与は、てんかんのある猫にとって中間放出のレベチラセタムを1日3回投与することの、より容易な代替法を供するかもしれない。