Stephens‐Brown, Lara, and Michael Davis.
"Water requirements of canine athletes during multi‐day exercise."
 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29968936
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タイトル: 心室性不整脈のある犬における心室収縮機能にソタロールが与える急性の心エコー効果

==アブストラクト===
背景:ソタロールは一般的に用いられている抗不整脈薬であり、心室機能を変化させる可能性がある。

目的:心室性不整脈のある犬において心室収縮能の心エコー指標にソタロールが与える効果を調べること。

動物:心室性不整脈のある家庭飼育犬35頭。

方法:心室性不整脈のある犬(n=27)にエコー検査と5分間の心電図検査を、ベースラインとソタロール(2-2.5mg/kg po 1回)も投与後2-4時間で行った。さらに8頭の犬に、ソタロール投与なしで同様のプロトコールを行なった(日内変動の対照群)。体重標準化収縮末期左室内径(LVIDs_N)、左室駆出率(LV EF)、左室短縮面積、左室短縮率、三尖弁輪収縮期移動距離(TAPSE)、および右室収縮期心筋速度を評価し、収縮能の指標とした。

結果
:TAPSEを除くすべての指標は、ベースラインと比較してソタロール投与後の収縮能においてわずかに減少した(すべてで p0.0007)が、対照群の犬における同様の指標の変化率と有意に異なっていたのはLVIDs_NとLV EFの変化率だけであった(p≦0.0079)。5分間の心電図で評価したときに、洞心拍数、心室期外収縮/5分間、および不整脈グレードは、ベースラインと比較していずれもソタロール投与後に減少した(すべてで p≦0.01)。ソタロール投与後に、収縮機能不全や心房拡大のある犬であっても、有害事象の発生した犬はいなかった。

結論と臨床的重要性
:ソタロールの単回投与は、心室性不整脈のある犬において左室収縮能の軽度な減少を引き起こす可能性がある。ソタロールは、心房拡大もしくは収縮機能不全のある犬でさえも、よく許容された。