Troìa, Roberta, et al.
"Fractional excretion of electrolytes in volume‐responsive and intrinsic acute kidney injury in dogs: Diagnostic and prognostic implications." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:29770972
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タイトル:容量反応性および内因性の急性腎障害の犬における電解質の分画排泄率。

==アブストラクト=== 
背景:急性腎障害(AKI)の特徴づけと予後予測のための電解質の分画排泄の価値は、犬ではほとんど報告されていない。

目的: AKIの犬における電解質の分画排泄の診断および予後の役割について評価すること。

動物:標準治療をうけたAKIの犬135頭(2014年2月ー2016年12月)。

方法
:前向き研究。電解質の排泄分画を含む、臨床的および検査の変数を入院時に測定した。AKI-IRISガイドラインにしたがって犬をグレード付けし、AKIの特徴(容量反応性AKI、内因性AKI)および転帰(生存群/非生存群)によってグループ分けした。グループ間の比較と回帰分析を行い、内因性AKIと死亡率のハザード比を評価した。p<0.05を有意差ありとした。

結果
:52/135頭(39%)が容量反応性AKI、69/135頭(51%)が内因性AKI、14/135頭(10%)が未分類であった。内因性AKIの犬は、電解質分画排泄率が有意に高かった、たとえば、ナトリウム分画排泄率は2.39%(範囲 0.04-75.81)であり、容量反応性の0.24%(範囲 0.01-2.21)よりも高かった(p<0.001)。全体での症例の死亡率は、41%(55/135)であった。非生存軍で電解質の分画排泄率が増加が検出された、たとえばナトリウム分画排泄率は1.60(範囲 0.03-75.81)であり、生存軍の0.60(範囲 0.01-50.45)よりも高かった(p=0.004)。死亡に対するいくつかのリスク因子が同定され、AKI-IRISグレード(ハザード比=1.39、p=0.002)、電解質排泄率たとえばナトリウム分画排泄率(ハザード比=1.03、p<0.001)、尿量(ハザード比=5.06、p<0.001)が含まれた。

結論と臨床的重要性
:電解質の分画排泄率は、容量反応性AKIと内因性AKIの早期の鑑別に良好に行われ、転帰と関連し、臨床現場でAKIを治療する際の有用なツールとなり得る。