Couto, K. M., et al.
"Clinical characteristics and outcome in dogs with small cell T‐cell intestinal lymphoma."
 
Veterinary and comparative oncology (2018).

PubMedリンク PMID:29322604
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル
:小細胞性T細胞性腸管リンパ腫の犬の臨床的特徴と転帰

==アブストラクト===
犬における小細胞性腸管リンパ腫は、これまでよく特徴付けられていない。この研究の目的は、小細胞性腸管リンパ腫の犬の臨床的な特徴と転帰について記述することである。罹患した犬は、高グレードの消化器型リンパ腫と比較して生存期間は延長するという仮説を我々はたてた。

病理学的な記録について、病理組織学的に小細胞性消化器型リンパ腫と確定した犬を検索した。小細胞性腸管リンパ腫と確定した17頭の犬が同定され、臨床および転帰についてのデータをそれぞれ収集した。病理組織学を、病理学の専門医が再評価し、組織片を免疫表現型と分子クローナリティの評価に提出した。

全ての犬は小細胞性、T細胞性のリンパ腫が様々な小腸領域で確認され、1頭は腹腔内リンパ節にも病変があった。すべての犬で消化器疾患に関連する臨床徴候があり、下痢(n=13)が最も多かった。 超音波検査での異常は13頭中8頭であり、異常な壁層構造(n=7)と粘膜の高エコー線状(n=7)が最も多い所見であった。合計で、14頭がなんらかの治療をうけた。すべての犬の中央生存期間は279日で、いずれかの治療をうけた犬の中央生存期間は628日であった。来院時に貧血と体重減少のあった犬では有意に生存期間が短く、ステロイドとアルキル化剤の組み合わせの投与をうけた犬では有意に生存期間が長かった。

小細胞性T細胞性腸管リンパ腫は犬の明瞭な疾患過程であり、治療を行うことで生存期間が延長するかもしれない。