Marioni-Henry, Katia, et al.
"Tumors affecting the spinal cord of cats: 85 cases (1980–2005)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 232.2 (2008): 237-243.

PubMedリンク PMID:18275391
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タイトル:猫の脊髄に影響を及ぼす腫瘍;85症例(1980-2005)

==アブストラクト===
目的:猫の脊髄に影響を及ぼすリンパ腫とその他の腫瘍の有病率と調べ、特定の腫瘍とシグナルメント、病歴、臨床所見を関連づけること。

デザイン:回顧的な症例シリーズ。

動物:脊髄に影響を及ぼす腫瘍のある猫85頭。

方法
:1980年から2005年の間に、原発性もしくは転移性の脊髄腫瘍または隣接する組織からの局所拡大によって脊髄障害を引き起こす腫瘍と組織学的に確定した猫の医療記録を再調査した。シグナルメント、臨床病歴、神経学的検査の結果、画像診断、および診療病理学的評価のデータと、脊髄における病変の部位について、医療記録から収集し、ロジスティック回帰モデルを用いて解析した。

結果:リンパ腫が最も多い腫瘍で、33頭(38.8%)の猫で脊髄に影響を及ぼしており、ついで骨肉腫が14頭(16.5% )であった。リンパ腫のある猫では他の腫瘍がある猫に比べて、最初の検査時の年齢が若いのが典型的であり、臨床徴候の期間が短かく、 より多くの領域に病変が存在した。リンパ腫の猫の26頭中22頭(84.6%)で、神経以外の部位にも腫瘍がみつかった。

結論と臨床的意義
:この猫の集団における脊髄腫瘍のデータは、ロジスティック回帰分析によって解析され、有効にリンパ腫の猫と他のタイプの腫瘍とを鑑別した。ここで報告した追加の臨床情報は、猫の脊髄腫瘍の疑いの指標もしくは生前の確定診断を増加させるのに役立つだろう。