Lane, J., et al.
"Low‐grade gastrointestinal lymphoma in dogs: 20 cases (2010 to 2016)." 
Journal of Small Animal Practice 59.3 (2018): 147-153.

PubMedリンク PMID:29027206
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タイトル:犬の低グレード消化管リンパ腫;20症例(2010-2016年)

==アブストラクト===
目的
;低グレード消化管リンパ腫の犬の臨床所見、治療、および予後について報告すること。

材料と方法
:米国大学獣医内科腫瘍学専門医リストサーブから症例を集めた。組織学と免疫組織化学の組み合わせと、±抗原レセプターのポリメラーゼ連鎖反応の解析、によって低グレード消化管リンパ腫と診断された犬の医療記録を含めた。シグナルメント、臨床徴候、診断検査の結果、化学療法プロトコール、治療への反応、初回進行日、レスキュー療法、および死亡日または追跡最終日、について収集した。

結果
:20症例が含まれた。オスと小型犬が多かった。頻繁な臨床徴候には、体重減少、嘔吐、下痢があった。ほとんどのリンパ腫はT細胞免疫型(95%)であり、上皮向性が多くみられた(60%)。免疫組織化学、 抗原レセプターのポリメラーゼ連鎖反応、またはその両方が、確定診断のために頻繁に必要とされた。2頭の犬では消化管腫瘤を切除し、すべての犬で化学療法(クロラムブシルとプレドニゾロンが最も多く処方された)により治療された。全体の反応率は70%で、生存中央期間は424日(95%信頼区間;105-1206日)であった。

臨床的意義
:低グレード消化管リンパ腫は犬においてはまれは病態であり、化学療法による治療は高い反応率と好ましい生存期間となるようだ。慢性腸症の犬におけるこの疾患の有病率を調べるためにはさらなる研究が必要だ。