Thierry, Florence, et al.
"Computed tomographic appearance of canine tonsillar neoplasia: 14 cases." 
Veterinary Radiology & Ultrasound 59.1 (2018): 54-63.

PubMedリンク PMID:28929544
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タイトル
:犬の扁桃腫瘍のコンピュータ断層撮影所見;14症例

==アブストラクト===
口蓋扁桃は、犬の口腔内腫瘍の一般的ではない部位である。罹患した扁桃では、扁平上皮癌が最も頻繁な腫瘍のタイプであり、次いでメラノーマとリンパ腫だ。コンピュータ断層撮影(CT)は、犬の口腔咽頭疾患の調査にますます使用されているが、扁桃腫瘍のCT所見についての利用できる情報は限られている。この回顧的記述的症例シリーズの目的は、犬の扁桃腫瘍のCTの特徴を調べ、特異的なCT所見が腫瘍性の扁桃と非腫瘍性のものを鑑別するかどうかを決定することである。

2つの紹介病院で扁桃腫瘍と診断された14頭の犬のCT検査を収集し、2人の評価者が再調査した。診断は組織学もしくは細胞学をもとに行われた。癌腫が11頭で診断され、メラノーマが2頭、リンパ腫が1頭であった。扁桃と領域リンパ節の特異的なCTの特徴は、腫瘍性と非腫瘍性の扁桃疾患を鑑別しなかったが、領域リンパ節のCTの特徴がリンダンに有用であった症例もいた。内側咽頭後リンパ節の顕著な腫大(幅18mm以上、12/18)、不均一性(16/18)、
hypoattenuating hilusの欠如(18/18)は、扁桃腫瘍と一致する一般的な特徴であった。内側咽頭後リンパ節と下顎リンパ節のリンパ節腫大は、それぞれ8/12と6/9で扁桃腫瘍と同側であった。5頭では、関連した転移性のリンパ節腫大があるにも関わらず、扁桃の腫大がほとんどない、または全くなかった。

それゆえ、同側の内側咽頭後リンパ節の腫大、またはリンパ節腫大とは関連しないいずれかの扁桃の腫大のCT所見のある犬の鑑別診断として、扁桃の腫瘍は考慮すべきであろう。