Conversy, B., et al.
"Anticoagulant activity of oral rivaroxaban in healthy dogs." 
The Veterinary Journal 223 (2017): 5-11.

PubMedリンク PMID:28671072
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タイトル
:健康な犬における経口リバーロキサバンの抗凝固活性

==アブストラクト===
リバーロキサバンは経口の直接的な第Ⅹa因子阻害薬であり、ヒトの血栓性疾患で使用されている。
犬のリバーロキサバンのin vitroにおける濃度依存性の抗凝固作用の観点から、健康な犬における抗凝固作用の時間経過は特徴付けられている。24頭のビーグル犬をランダムに3つのグループ(各グループ8頭)に分け、プラセボまたは20mgのリバーロキサバンを1回もしくは8時間間隔で2回、それぞれに投与した。30時間の間に15の血液サンプルを採取し、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンビン時間(aPTT)、トロンビン産生を誘導する組織因子、および抗第Ⅹa因子活性、について盲目検定を行った。トロンボエラストグラフィーは0、1、4、8、24時間で評価した。ピーク/ベースライン 抗凝固効果比は、β分布を用いた一般化線形モデルで解析し、ベースラインまで戻る時間は生存解析(α=0.05)により評価した。PT、aPTT、 抗第Ⅹa因子活性、トロンビン産生を誘導する組織因子、トロンボエラストグラフィーのピーク/ベースライン抗凝固作用の比は、プラセボとリバーロキサバンの両グループとの間で有意な差があった(P<0.0001)。リバーロキサバンの抗凝固作用のピークは、投与後1.5-2.0時間でみられた。ベースラインに戻るまでの時間の中央値は、20mgのリバーロキサバンの単回投与(7.9-18.7時間)のほうが、2回投与(17.5-26.8時間)よりも有意に早かった(p<0.01)。個体間での変動はアッセイ間で差があったが、全体では中程度から大きかった。副作用はみられなかった。リバーロキサバン2mg/kg 8時間間隔での2回の経口投与は、24時間の抗凝固活性を維持したが、犬におけるリバーロキサバンの使用に関するガイドラインを確立させるための大規模な研究が必要である。