Newhard, Daniel K., et al.
"A prospective, randomized, double‐blind, placebo‐controlled pilot study of sacubitril/valsartan (E ntresto) in dogs with cardiomegaly secondary to myxomatous mitral valve disease."
 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:30084228
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タイトル:僧帽弁粘液腫様変性に続発する心拡大の犬におけるサクビトリル/バルサルタン(Entresto)の前向き、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、予備研究

==アブストラクト=== 
背景
:僧帽弁粘液腫様変性に続発する心拡大のある犬において、サクビトリル/バルサルタンがレニン-アンジオテンシン系に与える影響は、現在よくわかっていない。

目的
:僧帽弁粘液腫様変性に続発する心拡大のある犬において、レニン-アンジオテンシン系、ナトリウム利尿ペプチド濃度、収縮期動脈圧、腎機能検査、および血清電解質濃度に対するサクビトリル/バルサルタンの薬力学的効果を調べること。

動物
:アメリカ獣医学会(ACVIM)ステージB2の僧帽弁粘液腫様変性がある4-15kgの家庭犬13頭。

方法
: ACVIMステージB2の僧帽弁粘液腫様変性がある犬における前向き、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、予備研究

結果
:13頭の犬が採用された;サクビトリル/バルサルタン(n=7)、プラセボ(n=6)。0日と30日の間の尿中アルドステロン/クレアチニン比の上昇率の中央値は、プラセボ群(195%)と比較して、サクビトリル/バルサルタン群(12%)で有意に低かった(p=0.032)。0日から30日のNT-proBNP濃度の減少率は、両群で有意な差はなかった(p=0.68)。いずれの時点での心臓エコー検査、胸部レントゲン、収縮期動脈圧、もしくは血清生化学検査の結果、において両群の差はなかった。いずれの群の犬でも有害事象は観察されなかった。

結論と臨床的意義
:ACVIMステージB2の僧帽弁粘液腫様変性のある犬において、サクビトリル/バルサルタンは効果的にレニン-アンジオテンシン系を抑制する新しい調剤方法を提供するかもしれない。