Aarsvold, Stacie, et al.
"Computed tomographic findings in 57 cats with primary pulmonary neoplasia."
 
Veterinary Radiology & Ultrasound 56.3 (2015): 272-277.

PubMedリンク PMID:25605501
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タイトル
:原発性肺腫瘍のある57頭の猫におけるコンピュータ断層撮影所見

==アブストラクト===
猫の原発性肺腫瘍は比較的まれであり、一般的な予後は不良である。この57頭の原発性肺腫瘍のある猫の多施設回顧的研究においては、最も一般的な主徴候は食欲低下(39% )と咳(37%)であった。
 原発性肺腫瘍は9%の猫で偶発的な所見であった。コンピュータ断層撮影(CT)画像では、原発性肺腫瘍は55頭(96%)の猫で肺腫瘤としてみられ、2頭(4%)では明瞭な腫瘤のないびまん性の病変としてみられた。多くの肺腫瘍は後葉にみられ、28(49%)が右後葉、17(30%)が左後葉であった。肺腫瘍に関連したCTの特徴には、腫瘤の臓側胸膜への接触(96%)、不整な辺縁(83%)、明瞭な境界(79%)、気管支の圧迫(74%)、ガスを含む空洞(63%)、ミネラル減衰の病巣(56%)、および気管支浸潤(19%)、などがあった。肺腫瘤の最大径の平均(範囲)は、3.5cm(1.1-11.5cm)であった。転移と考えることのできる他の肺病変が、53%の猫で観察された。胸水は30%の猫でみられ、肺血栓が12%の猫でみられた。組織学的な診断では、腺癌が47(82%)が、気管支由来の腫瘍6(11%)、扁平上皮癌が1(2%)であった。この症例シリーズでは、腫瘍のタイプとして腺癌が優勢であったが、あまり一般的でない腫瘍の多くの特徴を有していた。過去の猫の肺腫瘍に関するレントゲンの研究と比較して、肺内転移のを疑う割合が高かった。