Hall-Fonte, Deborah L., et al.
"Hepatocutaneous syndrome in Shih Tzus: 31 cases (1996–2014)." 
Journal of the American Veterinary Medical Association 248.7 (2016): 802-813.

PubMedリンク PMID:27003022
本文:無料公開なし

タイトル:シーズーの肝皮症候群 31症例(1996-2014年)

==アブストラクト===
目的:肝皮症候群に一致する進行性の表在性壊死性皮膚炎と空胞性変性性肝障害のあるシーズーにおける所見の特徴を調べること。

研究デザイン:回顧的症例シリーズ。

動物
:シーズー31頭。

方法:医療記録を再調査し、シグナルメント、病歴、治療、転帰、および臨床病理検査、腹部超音波検査、皮膚と肝臓標本の組織学的検査の結果についての情報を収集した。家系分析を行った。

結果:雄16頭、雌15頭であった。診断時の年齢の中央値は8歳齢(範囲 5-14歳齢)であった。よくみられる臨床徴候は元気消失、体重減少、跛行であった。25頭の犬に肝皮症候群に一致する皮膚病変がみられた。6頭では最初は最初は肝臓の異常だけがみられたが、6頭中3頭でその後に皮膚病変が発症した。よくみられた臨床病理学的異常には、小赤血球症(15/24頭[63%])、アルカリフォスファターゼの高値(24/24頭[100%])があった。肝臓の超音波検査所見として、無数の低エコー結節を伴う肝臓実質の高エコーまたは混合エコー所見がみられた。組織学的な肝臓病変は、線維化がわすかから無く、非炎症性で、増殖性結節に関連した空胞変性(グリコーゲンと脂肪)肝障害に一致していた。家系解析では、18頭中12頭で共通の祖先が確認された。中央生存期間は3ヶ月(範囲 1-36ヶ月)であった。

結論と臨床的意義
:この結果から、肝皮症候群は罹患した血縁動物なしに同定されることはあるものの、シーズーにおいて遺伝的要素を持っている可能性があることを示唆した。罹患したシーズーにおける臨床病理的、超音波検査、および組織学的な異常は、過去の他の犬種における肝皮症候群のある犬での報告と類似していた。