Rissi, Daniel R.
"A retrospective study of the neuropathology and diagnosis of naturally occurring feline infectious peritonitis."
 
Journal of Veterinary Diagnostic Investigation 30.3 (2018): 392-399.

PubMedリンク PMID:29411701
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タイトル
:自然発生性の猫伝染性腹膜炎の神経病理と診断に関する回顧的研究

==アブスルトラクト===
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫において世界的にもっとも重要なウイルス疾患の一つである。我々の研究では、家庭猫における26頭のFIPの患者の神経病理と診断の特徴を記述した。罹患した患者の平均年齢は11.8ヶ月齢でありお、性別または品種による好発はなかった。臨床的な神経徴候は22症例でみられ、11頭では狂犬病が疑われた。20頭の猫で臓器多発性の病変があり、6頭は脳の病変だけであった。肉眼的な神経病理的変化が15頭でみられ、水頭症(10頭)、大後頭孔の小脳ヘルニア(6頭)、脳回の平坦化を伴う脳の腫脹(2頭)、および脳室内または脳軟膜におけるフィブリンの蓄積(2頭)があった。組織学的には、神経学的な変化の3つの明確な分布が観察され、それは脳室周囲脳炎(12頭)、菱脳脳炎(8頭)、および表層性の脳炎と伴うびまん性軟膜炎(6頭)であった。17頭は剖検後に、新鮮組織標本が蛍光抗体検査に提出され、7症例だけで陽性の結果となった。猫コロナウイルスに対する免疫組織化学により、26頭すべてで診断が確定した。免疫組織化学は、FPの確定診断として、蛍光抗体検査よりも感度が高く、信頼できる検査のようである。