Lavely, James A., et al.
"Spinal epidural empyema in seven dogs." 
Veterinary surgery 35.2 (2006): 176-185.

PubMedリンク PMID:16472298
本文:googlescholar経由で入手可能(全文) 

タイトル:7頭の犬の脊髄硬膜外膿瘍

==アブストラクト===
目的:脊髄硬膜外膿瘍の犬における臨床徴候、診断所見、手術所見、および転帰についての特徴を調べること。

研究デザイン
:回顧的研究。

動物
:7頭の犬。

方法
:1992年から2001年の間の、脊髄硬膜外膿瘍の犬をコンピュータ医療記録システムから同定した。組み入れ基準は以下の通り;神経学的検査、脊柱のレントゲン検査、脊髄造影、外科的に脊柱から採取された材料の抗菌培養と感受性、外科的に確定診断された脊髄硬膜外膿瘍、および脊柱から採取された組織の顕微鏡学的検査。

結果
:一般的な徴候は、元気消失、発熱、食欲低下、明らかな脊髄痛、不全麻痺/麻痺であった。一般的な検査の異常は、末梢好中球増多症 、脳脊髄液(CSF)の好中球性の細胞増多症であった。3頭の犬で椎間板脊椎炎の併発があり、それらの犬のうち1頭では脊椎の脱臼がみられた。脊髄造影では硬膜外からの脊髄圧迫が局所(2頭)、多巣性(3)、びまん性(2)でみられた。CSF中からは細菌は分離されなかったが、血液中、手術部位、胸水、または尿中から6頭で検出された。抗菌薬が投与され、片側椎弓切除により脊髄の外科的減圧がなされた。5頭で神経学的な改善がみられ、長期予後は良好であった。2頭は安楽死された、1頭は神経徴候と肺炎の悪化、もう1頭は硬膜外膿瘍とは関係なく術後1ヶ月で頚部の椎間板ヘルニアを起こした。

結論
:脊髄硬膜外膿瘍のある犬では、外科的な減圧と抗菌薬の投与により良好な予後が得られる可能性がある。

臨床的意義
:脊髄硬膜外膿瘍は、発熱、脊髄痛、脊髄障害のある犬において可能性のある原因のリストに含めておくべきである。