Strickland, Jaimie M., et al.
"Hepatic copper concentrations in 546 dogs (1982–2015)." 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:30294943
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タイトル:546頭頭の犬の肝臓の銅濃度(1982-2015年)

==アブストラクト===
背景:銅関連性肝炎は犬で認識されることが増えてきており、遺伝的な銅代謝の欠如が環境中の銅の暴露によって悪化させられているという推測が存在する。しかし、銅関連性肝炎のリスクがあると考えられる犬(好発犬種)とリスクがないと考えられる犬(非好発犬種)の両方において、継時的に定量的な肝臓の銅濃度を調べた広範な疫学調査は行われていない。

目的:犬の肝臓銅濃度について調べ、34年間にわたる継時的、頭数統計的、および組織学的な関連について探索すること。

動物:546の保管された肝臓標本。

方法:回顧的研究。ミシガン州大学獣医診断検査所もデータベースを検索し、肝臓の組織学的評価を行なった犬を特定した。組織が保管されていた症例を再調査し、犬種、期間、肝炎の有無、によって分類した。誘導結合プラズマ質量分析法を用いて肝臓銅濃度を決定した。

結果
2009-2015年の期間における非好発犬種と好発犬種の肝臓銅濃度の中央値は101μg/gと313μg/gであり、1982-1988年の間の中央値よりも高かった(それぞれp<0.001)。これらの期間で、肝臓銅濃度が>300μg/gであった犬の割合は、非好発犬種で28%から49%、好発犬種で48%から71%であった。肝炎のある犬における肝臓銅濃度の中央値は、非好発犬種(p=0.004)と好発犬種(p<0.001)の両方で、継時的に3倍増加した。

結論と臨床的重要性
:近年の銅関連性肝炎の頻繁な認識は、継時的な肝臓銅濃度の増加が観察されているためと思われる。重要なことに、その影響は好発犬種に限ったことではない。