Fitzpatrick, Rikki L., et al.
"In vivo and in vitro assessment of mirtazapine pharmacokinetics in cats with liver disease." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30307637
本文:無料公開あり(全文

タイトル:肝疾患のある猫におけるミルタザピンの薬物動態についての生体内および生体外での評価。

==アブストラクト===
背景:ヒトでは肝疾患はミルタザピンの半減期を延長させるが、これが健康な猫と肝疾患のある猫でも起こることなのかはわかっていない。

仮説/目的
:肝疾患のある猫と健康な猫において、経口投与されたミルタザピンの生体内および生体外(肝ミクロソーム)でにおける薬物動態を調べること。

動物:肝疾患のある猫11頭と、年齢を調整した対象猫11頭。

方法:症例対照研究。ミルタザピン1.88mgを蛍光灯予後1時間、4時間(22頭)および24時間(14頭)で血清を採取した。ミルタザピン濃度はタンデム質量分析による液体クロマトグラフィーで測定した。薬物暴露と半減期は限定サンプリングモデルを用いて予測し、非コンパートメント方法を用いて算出した。生体外でのミルタザピンの薬物動態は、3頭の肝疾患の猫と4頭の健康な猫から得られた肝ミクロソームを用いて評価された。

結果
:肝疾患の猫と対象猫の間で、最大血清濃度に至る時間には有意な差がみられた(中央値[範囲];4[1-4]時間 vs 1[1-4]時間;p=0.03)。算出された肝疾患の猫での半減期は、健康な猫に比べて有意に延長していた(中央値[範囲];13.8[7.9-61.4]時間 vs 7.4[6.7-9.1]時間;p<0.002)。ミルタザピンの半減期は、ALT(p=0.002;r=0.76)、ALP(p<0.0001;r=0.89)および総ビリルビン(p=0.0008;r=0.81)と相関していた。肝疾患のある猫のミクロソームによるミルタザピンの消失率(-0.0022min-1;信頼区間 -0.0050から0.00054m-1)は、肝疾患のない猫のミクロソーム(-0.01849min-1;信頼区間 -0.025から0.012m-1)と有意な差があった。

結論と臨床的重要性
:肝疾患のある猫では健康な猫よりも、 より間隔をあけてミルタザピンを投与することが必要となるかもしれない。