Sparks, Courtney R., et al.
"Investigation of sensory thresholds in Cavalier King Charles Spaniels with and without Chiari‐like malformations and syringomyelia." 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30307645
本文:無料公開あり(全文

タイトル:キアリ様奇形および脊髄空洞症があるまたはないキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルにおける感覚閾値の調査

==アブストラクト=== 
背景
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル(以下 キャバリア)はキアリ様奇形および脊髄空洞症に関連した疼痛に苦しんでいる。同様な病態でヒトも痛みを感じ、多くの感覚異常が述べられている。罹患したキャバリアにおいての感覚の変化は定量化されていない。

目的:キャバリアで熱的および機械的閾値を定量化するために定量化感覚検査を行い、脊髄空洞症のある犬とない犬とで定量化感覚検査を比較すること。

動物:キャバリア44頭。

方法
:前向き研究。犬に神経学的検査と頭頚部のMRI検査を行なった。熱性試験を上腕および胸部で行ない(n=32)、機械的検査を前肢および頚部で行なった(n=44)。潜伏期、閾値、および反応率について、MRIによる脊髄空洞症の存在および重症度、飼い主の報告および検査によって同定される痛みの存在、によって比較した。

結果
:30頭に脊髄空洞症があり、30頭が検査により痛みがあり、29頭が飼い主申告による症候性であった。脊髄空洞症の有無または重症度において、熱性および機械的な項目について有意な差はなかった。検査で痛みのある犬における機械的閾値は、前肢(0.38kg, SD=0.18)、頚部(2.05kg, SD=0.74)であり、検査で痛みのない犬の前肢(0.60kg, SD=0.30)、頚部(2.72kg, SD=0.57)と比較して、有意に減少していた(p=0.021)。

結論と臨床的重要性
: 機械的および熱性の感覚は脊髄空洞症の存在とは関連していないようだが、機械的な感覚は痛みと臨床的徴候の存在と関連しているようである。機械的検査は、臨床試験において感覚異常を評価するのに有用かもしれない。