Czerwik, Adriana, et al.
"Comparison of electroencephalographic findings with hippocampal magnetic resonance imaging volumetry in dogs with idiopathic epilepsy."
 
Journal of veterinary internal medicine (2018).

PubMedリンク PMID:30325068
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タイトル:特発性てんかんの犬における海馬MRI体積分析と脳波所見の比較

==アブストラクト===
背景:ヒトでは側頭葉てんかんは、一般的に海馬硬化症に関連する内側側頭葉てんかんにおいて主に起こる、焦点てんかんの一種である。

目的:最近の研究では、側頭葉てんかんは犬においても起こる可能性があり、海馬萎縮/海馬硬化症に関連している可能性がある。 今日まで、てんかんの犬において海馬の病変と脳波所見は関連づけられていない。

動物:脳波検査、脳MRI、および海馬の体積分析を、16頭の非てんかん犬と41頭のてんかん犬で実施した。

方法:この回顧的研究では、脳波によって定義されるてんかん型放電の存在と局在を、盲目的に評価した。 海馬を測定し、片側性の萎縮を評価した。脳波の結果と体積所見を相関させ、機能的てんかん焦点と構造的な変化が同等であるかどうかを調べた。

結果:海馬非対称比の中央値は、対照犬よりもてんかん犬で有意に高かった(p<0.001)。非対称比のカットオフ閾値>6%を用いると、56%(23/41)の犬が片側性の海馬萎縮として特徴づけられた。これらの犬のうち35%(8/23)で側頭葉におけるてんかん型放電があり、26%(6/23)でてんかん型放電がみられなかった。片側性海馬萎縮があり側頭葉のてんかん型放電のある犬のうちの88%(7/8)で、てんかん型放電は海馬体積の現象がある側と関連していた。

結論と臨床的重要性
:この結果は、ヒトの内側側頭葉てんかんの特徴を反映し得る特発性てんかんの犬の中には、脳波で検出可能なてんかん型放電の存在と片側性の海馬体積の減少との関連にしている症例もいることを示唆している。