Swain, Lindsay, et al.
"Lafora disease in miniature Wirehaired Dachshunds."
 
PloS one 12.8 (2017): e0182024.

PubMedリンク PMID:28767715
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル
:ミニチュア・ワイヤーヘアード・ダックスフンドにおけるラフォラ病

==アブストラクト===
ラフォラ病は、常染色体劣性の遅発型進行性ミオクローヌスてんかん、ミニチュア・ワイヤーヘアード・ダックスフンドにおける有病率が高い。この疾患はEpm2b遺伝子によるものであり、異常なグリコーゲン
(ラフォラ小体)の細胞内蓄積を起こす。最近の犬種全体の検査では、キャリアと罹患の割合の合計が20%に達する可能性があることが示唆されている。この疾患の特徴的な徴候は、自然発生性で反射性のミオクローヌスであるが、臨床徴候と疾患の進行については十分に述べられていない。

Epm2b遺伝子変異のホモ接合型をもつ、または遅発性の反射性ミオクローヌスとラフォラ病の臨床診断をうけたミニチュア・ワイヤーヘアード・ダックスフンドの飼い主に、調査を提出した。疾患をまだ発症していない変異陽性の犬を除外したのちに、27頭の犬(雄11頭、雌16頭)で解析を行なった。

臨床徴候の発症の平均年齢は6.94歳齢(3.5-12歳齢)であった。最も多かった最初の徴候は、反射性で自然発生性のミオクローヌス(77.8%)であった。その他の徴候として、睡眠時のミオクローヌス(51.9%)、全身発作(40.7%)があった。まれな徴候として、“jaw smacking”、“フライバイト”、“パニック発作”、視力障害、攻撃性、尿失禁などがあった。これらの臨床徴候のすべてが現れ、時間とともに頻度と強度が増す可能性がある。特にミオクローヌスはより重篤となり、人への攻撃性(25.9%)、犬への攻撃性(33.3%)、難聴(29.6%)、およぶハウストレーニングの喪失による便失禁(29.6%)と尿失禁(37.0%)(脱抑制型行動)が増した。

犬の疾患の特徴を明らかにし、より特異的な治療戦略を可能にし、疾患の進行による治療の調整をするためには、さらなる研究が必要とされる。