Radlinsky, Maryann G., et al.
"Comparison of three clinical techniques for the diagnosis of laryngeal paralysis in dogs." 
Veterinary surgery 38.4 (2009): 434-438.

PubMedリンク PMID:19538662
本文:無料公開あり(全文) 

タイトル:犬の喉頭麻痺の診断のための3つの臨床テクニックの比較

==アブストラクト===
目的:3つの診断手技(喉頭エコー検査、経鼻喉頭鏡、経口喉頭鏡)を用いて喉頭機能を評価すること。

研究デザイン:前向き臨床研究。

動物:喉頭麻痺のある犬(n=5)と対照犬(n=10;5頭は年齢と犬種を対応させた犬、5頭は若くて犬種を対応させた犬)。

方法:喉頭機能について、覚醒下の犬で喉頭エコー検査を用いて評価した。 すべての検査を記録し、研究の完了時に別々のブラインドされた観察者によって評価された。感度、特異度、陽性的中率、陰性的中率を用いて、症例のすべての臨調知識を組み込んだ標準評価と方法を比較した。

結果
:手術を必要とする両側性の喉頭麻痺のある犬3頭では、喉頭エコー検査では片側性の病変または正常と診断された。3頭の犬では、経鼻喉頭鏡検査と経口喉頭鏡検査で奇異性運動が観察され、そのうち2頭は喉頭エコー検査では正常とみなされ、1頭は動きがみられなかった。1頭の年齢調整対照犬と3頭の若齢対照犬で、喉頭エコー検査で麻痺と診断された。経鼻喉頭鏡検査と経口喉頭鏡検査では、2頭の年齢調整対照犬と1頭の若齢対照犬で、披裂軟骨の動きの欠如と誤って診断した。経鼻喉頭鏡検査と経口喉頭鏡検査により、2頭の年齢調整対照犬と1頭の若齢対照犬で麻痺が誤って診断された。

ディスカッション:喉頭の直接的な観察は、喉頭エコー検査に比べて喉頭機能の評価をよりよいものにする。経口喉頭鏡検査は麻酔導入を必要としないが、経口喉頭鏡検査と比較して喉頭機能の評価能を改善することはなかった。

結論:喉頭エコー検査は喉頭の直接的な観察よりも効果的ではなかった。経鼻喉頭鏡検査は、経口喉頭鏡検査と比較して喉頭機能の評価を改善させなかった。 

臨床的関連
:われわれは、喉頭エコー検査および経鼻喉頭鏡検査よりも、臨床病歴と身体検査を経口喉頭鏡検査を組み合わせて喉頭麻痺の診断を行う。