Summa, Maija, Carl-Henrik von Bonsdorff, and Leena Maunula.
"Pet dogs—A transmission route for human noroviruses?."
 
Journal of clinical virology 53.3 (2012): 244-247.

PubMedリンク PMID:22244255
本文:無料公開なし

タイトル:ペット犬-ヒトノロウイルスの伝染経路?
 
==アブストラクト===
背景:ヒトノロウイルスはあらゆる年齢層で世界中で下痢疾患の主な原因のひとつである。ウイルス感染はヒトからヒトへの糞便-経口経路を介して、または汚染された食物、水、もしくは表面を介して起こり得る。ヒトの間で循環している最も一般的なノロウイルス株は遺伝子群GⅡに属する。これまでのところ、我々の知る限りで、ペットにヒトノロウイルスが検出されたということはない。

目的:我々は、ペット犬がヒトノロウイルスのキャリアとして働き、それによって感染をヒトへ伝染させることができるかどうかを調べた。

研究デザイン:屋内のペット犬の92の糞便サンプルを集めた。サンプル収集の主な基準は、その世帯の犬またはヒトが下痢または嘔吐を患っていたことということであった。すべてのサンプルで、ヒトノロウイルス遺伝子群GⅠ、GⅡ、およびGⅣに対して、リアルタイムワンステップRT-PCRによるクリーニングを行った。 

結果:徴候のあるヒトと直接接触していたペット犬のサンプルの4つからヒトノロウイルスが検出された。陽性サンプルのうち3つは遺伝子型GⅡ.4変異体2006bまたは2008であり、1つはGⅡ.12であった。ヒトのノロウイルス陽性の犬はすべて小さい子供のいる家で暮らしており、2頭の犬は軽度な徴候を示していた。

結論
:われわれの結果は、ヒトノロウイルスが犬の消化管内で生存できることを示唆している。 これらのウイルスが犬の中で増殖できるかどうかは未解決であるが、ヒトが感染するノロウイルスの伝染においてペット犬の関係が役割を担っていることは明らかである。