Reinero, Carol R., et al.
"Clinical features of canine pulmonary veno‐occlusive disease and pulmonary capillary hemangiomatosis." 
Journal of veterinary internal medicine(2018).

PubMedリンク PMID:30499214
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タイトル:犬の肺静脈閉塞症と肺毛細血管腫症の臨床的特徴

==アブストラクト===
背景:犬における肺静脈閉塞症(PVOD)と肺毛細血管腫症(PCH)の組織学的特徴についての記述はあるが、完全な臨床についての説明はない。
 
目的:肺静脈閉塞症と肺毛細血管腫症の組織学的な根拠をもつ犬の臨床的特徴、診断、治療、および転帰について報告すること。

動物:肺静脈閉塞症(小型から中型の肺静脈の閉塞性リモデリング)または肺毛細血管腫症(肺胞毛細血管の増殖および鬱血)、またはその両方の組織学的基準を満たした犬15頭。

方法:2003年から2017年の間に組織学的特徴をもとに特定された肺静脈閉塞症および肺毛細血管腫症がある犬の医療記録を回顧的に再調査した。

方法
:15頭の犬が肺静脈閉塞症または肺毛細血管腫症またはその両方の組織学的診断の組み入れ基準を満たした。犬は高齢であり(中央値 11歳)、犬種や性別に明らかな好発はなかった。犬は急性の臨床徴候(中央値 3日)で来院し、通常は呼吸困難を呈した。胸部レントゲン検査(10頭で入手可能)により、右心拡大、斑状またはびまん性の間質から肺胞パターンが明らかとなり、9頭は正常な左心陰影を有していた。検査を行った5頭では、肺動脈高血圧症が記録された。3頭すべてで、胸部CT検査により肺動脈の拡大と血管周囲のびまん性結節性すりガラス陰影がみられた。15頭中10頭が1日以内に死亡し、中央生存期間は3日であった。

結論と臨床的意義
:肺高血圧症の犬において、左側のうっ血性心不全を述べることができず、呼吸器疾患の徴候の他の原因を同定することができない場合、肺静脈閉塞症と肺毛細血管腫症への疑いを強めるべきだ。臨床医と病理医による肺静脈閉塞症と肺毛細血管腫症への認識の高まりにより、臨床病理学的特徴が一致する犬ではこれらの肺血管障害に対する評価をすべきだ。