Thoen, Meredith E., and Marie E. Kerl.
"Characterization of acute kidney injury in hospitalized dogs and evaluation of a veterinary acute kidney injury staging system." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 21.6 (2011): 648-657.

PubMedリンク PMID:22316258
本文:無料公開なし

タイトル:入院中の犬における急性腎障害の特徴づけと獣医急性腎障害ステージングシステムの評価

==アブストラクト===
目的: 重症疾患で入院している犬の集団に対して、ヒト医療で使用されている急性腎障害(AKI)を特徴付ける基準を回顧的に適応し、血漿クレアチニン濃度の微妙な増加に基づく潜在的なAKIの犬を同定すること。

デザイン:回顧的研究。

施設:獣医大学教育病院。

動物:集中治療室に入院した家庭飼育犬164頭。

介入:なし。

方法と主な結果:研究の組み入れ基準を満たした犬64頭の医療記録を再調査し、年齢、クレアチニン測定結果、退院の状態、在院期間、全身麻酔の実施、診断数、計算された生存予測指数スコア(SPI2)について調べた。獣医AKIステージングシステムを回顧的に適応し、クレアチニン濃度のベースラインからの上昇をもとに犬を以下に分類した;
ステージ0(S0 <150%)
ステージ1(S1 150-199% または ≧26.5μmol/L[≧0.3mg/dl])
ステージ2(S2 200-299%)
ステージ3(S3 ≧300%)
評価した犬のうち、140/164頭が獣医AKIステージ0、19/164頭がステージ1、3/164頭がステージ2、2/164頭がステージ3に分類された。死亡率はS0の犬(22/140 15.7%)と比べて、S1-3の犬(13/24 54.2%)で高かった(p<0.0001)。在院期間、全身麻酔、診断数は生存と関連しなかった。ロジスティック回帰モデルでは、ステージと年齢はともに死亡率と有意に関連した(p=0.0002、p=0.030)。SPI2スコアの平均はS0(0.52)とS1(0.59)の犬で差はなかった(p=0.23)。S1の犬の4/19(21%)で、血漿クレアチニン濃度のピークが検査参照範囲の上限を超えた。

結論
:獣医AKIステージ1-3の基準に合致する犬は生存して退院することが少なかった。血漿クレアチニン濃度のわずかな上昇は、たとえ絶対的な値が参照範囲内であっても、臨床的な関連がある可能性がある。