Lowrie, M., et al.
"Characterization of Paroxysmal Gluten‐Sensitive Dyskinesia in Border Terriers Using Serological Markers."
 
Journal of veterinary internal medicine 32.2 (2018): 775-781.

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タイトル:血清学的マーカーを用いたボーダーテリアにおける発作性グルテン感受性ジスキネジアの特徴の調査

==アブストラクト===
背景:ボーダーテリアにおける発作性グルテン感受性ジスキネジアは、トランスグルタミナーゼ(TG)2とグリアジンに対する直接的な免疫反応の結果として起こる。最近の根拠によると、 
発作性グルテン感受性ジスキネジアはこの犬種におけるグルテン感受性の可能性のある兆候の範囲のうちのほんの一面であることが示唆されている。

仮説/目的
:ボーダーテリアにおけるグルテン感受性は、多様な臨床スペクトラムをもつ不均一な疾患過程であり、診断マーカーとしてTG2とグリアジンの自己抗体を用いて発作性グルテン感受性ジズキネジアの表現型を特徴付ける。

動物:様々な障害のある家庭飼育のボーダーテリア128頭。

方法
:前向き研究。発作性のエピソードと正常な発作間欠期検査のあるボーダーテリアを、代表的なエピソードのビデオを用いて表現型を決定し、3つのグループに分類した;特発性てんかん、発作性ジスキネジア、またはその他。それぞれの犬の飼い主にアンケートに答えてもらい、臨床徴候に関する情報を得た。健康なボーダーテリアを対照グループとした。TG2およびAGAに対する血清抗体を全ての犬で測定した。

結果
: 128頭のボーダーテリアが登録された;発作性ジスキネジアのある犬45頭、特発性てんかんのある犬28頭、その他の病態のある犬35頭、対照犬20頭。3つの表現型の重複が特定された;発作性ジスキネジア、胃腸疾患を示唆する徴候、および皮膚病。発作性ジスキネジアの犬のAGA-IgG濃度は、特発性てんかん(p=0.012)、対照(p<0.0001)およびその他(p<0.0001)と比較して上昇していた。血清学的マーカーは、発作性グルテン感受性ジスキネジアに対して高い特異度をもつが、感度は欠如していた。

結論
:発作性グルテン感受性ジスキネジアは、一過性のジスキネジアのエピソード、胃腸疾患を示唆する徴候、および皮膚過敏症から構成されるグルテン不耐性の症候群の一部のようだ。