Craven, Melanie D., and Robert J. Washabau.
"Comparative pathophysiology and management of protein‐losing enteropathy." 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:30762910
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タイトル
:蛋白漏出性腸症の比較病態生理学と治療

==アブストラクト===
蛋白漏出性腸症またはPLEは、疾患ではなく、異なる病因の多くの病状で発展する症候群であり、犬ではリンパ管拡張症やリンパ管炎など、しばしばリンパ系を巻き込む。リンパ系の疾患の病態生理学は完全に理解されておらず、疾患を管理するのは困難である。 PLEの機序を理解することは、リンパ系の構造と機能の知識を必要とし、それについてここでレビューした。腸管の蛋白の喪失の機序は、原因となる疾患に関わらず、犬とヒトで同じである。ヒトでは通常、PLEは原発性の腸管リンパ管拡張症に関連しており、これは遺伝的感受性または”特発性”リンパ管閉塞から起こることが疑われている。犬ではPLEは炎症性腸疾患(IBD)の特徴であることが最も多く、腸管リンパ管拡張症であることは少ないが、それらの過程が真の推進欠損であるということは証明されていない。猫では、PLEは比較的まれである。獣医学の文献のレビュー(1977-2018年)により、IBDに関連した死亡が<20%だと発表されていることと比較して、PLEは54.2%の犬で終末期であることが明らかとなり、PLEは単なるIBD病態生理スペクトラムの連続ではないことが暗示される。ヒトでは、食事が管理の基礎であるが、犬ではリンパ管拡張症、リンパ管炎、および陰窩疾患の原因に対してしばしば免疫抑制により治療される。しかしながら、自己免疫または免疫介在性の機序に対して、科学的な、外挿された、もしくは根拠に基づく支持は、今のところない。さらにPLEのヒトでは、リンパ球減少症、重度のCD4+の減少、および負のワクチン力価、を含む疾患に関連した免疫機能の喪失を有している。ここではヒトと犬におけるPLEの比較を行い、PLEの治療における理論を提示する。