Trotman, Tara K., Kenneth J. Drobatz, and Rebecka S. Hess.
"Retrospective evaluation of hyperosmolar hyperglycemia in 66 dogs (1993–2008)."
 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 23.5 (2013): 557-564.

PubMedリンク PMID:24102960
本文:無料公開なし

タイトル:高浸透圧性高血糖の回顧的評価、犬66頭(1993-2008年)

==アブストラクト===
目的
:高浸透圧性高血糖状態の犬の大きな集団の臨床的な特徴を調べ、高浸透圧性高血糖状態の2つのサブグループ(高浸透圧性ケトン尿性糖尿病の犬と高浸透圧性非ケトン尿性糖尿病の犬)が臨床的に異なるかどうかを調べること。

デザイン:回顧的研究。1993年1月から2008年7月の間に検査をうけた1250頭の糖尿病の犬の記録を再調査し、高浸透圧性高血糖の犬を同定した。ケトン尿の有無にかかわらず、算出血清浸透圧≧325mOsm/kgを組み入れに必要とした。

施設:大学の教育病院。

動物
:高浸透圧性高血糖状態の犬66頭(高浸透圧性ケトン尿性糖尿病が34頭、高浸透圧性非ケトン尿性糖尿病が25頭、未分類の高浸透圧性高血糖が7頭)。

介入:なし。

 方法と主な結果
:高浸透圧性高血糖状態は糖尿病の犬の5%で診断された。高浸透圧性ケトン尿および高浸透圧性非ケトン尿の犬は、病歴、身体検査、臨床病理検査、および転帰のほとんどで互いに類似していた。高浸透圧性高血糖状態の犬の62%が生存退院した。高浸透圧性高血糖状態の犬の不良な転帰には、精神状態の異常(p=0.03)、低い静脈血pH(p=0.045)が関連した。高浸透圧性ケトン尿の犬は、高浸透圧性非ケトン尿の犬に比べて、急性膵炎(p=0.046)、高体温(p=0.006)、白血球数の高値(p=0.01)、および臨床徴候の期間の短さ(p=0.02)であることが有意に多かった。高浸透圧性非ケトン尿の犬は、高浸透圧性ケトン尿の犬に比べて、有意にBUNとクレアチニン濃度が高く(p=0.0002、P=0.008)、および算出浸透圧が高かった(p=0.001)。

結論
:高浸透圧性高血糖は、異常な意識状態と低い静脈血pHと関連して不良な転帰となるまれな病態である。高浸透圧性高血糖状態の犬では、サブグループとして高浸透圧性ケトン尿の犬は高浸透圧性非ケトン尿の犬に比べて、有意に急性膵炎が多く、臨床徴候の期間が短く、体温が高く、白血球数が高く、 一方、高浸透圧性非ケトン尿の犬は高浸透圧性ケトン尿の犬に比べて、高窒素血症であることが多く、浸透圧が高かった。