Hisasue, Masaharu, et al.
"Hematologic abnormalities and outcome of 16 cats with myelodysplastic syndromes."
 
Journal of veterinary internal medicine 15.5 (2001): 471-477.

PubMedリンク PMID:11596735
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タイトル
:骨髄異形成症候群の猫16頭の血液学的異常と転帰

==アブストラクト===
骨髄異形成症候群(MDS)の血液学的異常と予後について調べた。非再生性貧血、血小板減少症、および好中球減少症が、MDSの猫16頭中それぞれ15頭、13頭、4頭でみられた。MDSの形態学的異常の特徴には、巨赤芽球性正赤芽球(9頭)、好中球の低分節化(7頭)、正赤芽球の核異常(10頭)、好中球の核異常(13頭)、微小巨核球(10頭)がみられた。16頭の猫の疾患は、ヒトのフランス-アメリカ-イギリス(FAB)に基づいて分類難治性貧血(RA 8頭)、過剰な芽球を伴う難治性貧血(RAEB 5頭)、形質転換中の過剰な芽球と伴う難治性貧血(RAEB in T 1頭)、および慢性骨髄単球性白血病(CMMoL 2頭)に細分類された。臨床的な転帰のわかる猫のうちで、RAEB、RAEB in T、CMMolを含む芽球数が多い猫6頭のうち3頭が急性骨髄性白血病を発症したが、芽球数の少ない猫8頭中では1頭だけが急性骨髄性白血病を発症した。ヒトのMDSの予後についてのデュッセルドルフスコアリングシステムに基づくと、高スコア(3ポイント以上)を示す猫の生存期間は、低スコア(3ポイント未満)の猫よりも有意に短かった。FAB分類とデュッセルドルフスコアリングシステムは、猫のMDSの予後予測に有用であると考えられた。さらにこの研究におけるMDSの猫16頭中15頭は猫白血病ウイルスに感染していたことから、それが猫のMDSの病因において病因的役割をになっている可能性が示された。