Ferrell, Christopher L., Matthew D. Barnhart, and Eric Herman.
"Impact of postoperative antibiotics on rates of infection and implant removal after tibial tuberosity advancement in 1,768 canine stifles."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンク PMID:31168843
本文:無料公開なし

タイトル:1768の犬の膝関節における脛骨粗面前方転移術術後の感染率およびインプラント除去率に対する術後抗菌薬が与える影響

==アブストラクト===
目的:犬の脛骨粗面前方転移術(TTA)の術後の感染率、インプラント除去率、および術後抗菌薬療法について報告すること。

研究デザイン:回顧的研究。 

動物:1732頭の犬の1768の膝関節。

方法
:TTAで治療した犬の医療記録(2007年1月-2011年12月)を再調査した。最低で術後1年の追跡調査が利用可能であり、膝関節にはそれ以上の処置が行われなかった症例を組み入れた。手術日、培養日、培養と感受性の結果、使用した術後抗菌薬、およびインプラントの除去について記録した。術後の抗菌薬の使用とインプラントの除去が感染の発生と治癒に与える影響について、統計学的に評価した。

結果:術後合併症は、1768の膝のうち82(4.6%)で診断された。32の膝(39%)からインプラントが除去され、23の膝(71.9%)の膝でのみ、プレートとスクリューが除去された。術後抗菌薬療法を行った犬と行っていない犬との間で、感染率に差は無かった。しかし、術後抗菌薬療法をうけた犬ではオキサシリン抵抗性の感染症を発症するリスクがあった(p=0.001)。オキサシリン抵抗性の感染症は、他の種類の細菌感染症に比べて、治癒を達成するためにインプラントを除去する必要との関連があった。

臨床的意義:この研究は、TTAの術後抗菌薬療法を支持する根拠を示さなかった。術後感染症は、ほとんどの犬でTTAケージを除去することなく治療できた。