Charalambous, Marios, David Brodbelt, and Holger A. Volk.
"Treatment in canine epilepsy–a systematic review." 
BMC veterinary research 10.1 (2014): 257.

PubMedリンク PMID:25338624
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬のてんかん治療;システマティックレビュー

==アブストラクト===
背景:様々な抗てんかん薬が犬の特発性てんかんの治療に用いられている。それらの臨床的有用性に関する情報はいまだに限りがある。特発性てんかんが疑われる犬に対する抗てんかん薬の有効性について存在するエビデンスを評価するため、システマティックレビュー をデザインした。PubMedとCAB Directの電子検索を、日付と言語の制限をかけずに実施した。会議録も同様に検索した。特発性てんかんの犬における抗てんかん薬の有効性を客観的に記述した査読付きの完全版の研究を含めた。研究を2つのグループに割り付けた、すなわち盲検化ランダム化診療試験、非盲検化ランダム化臨床試験、および非ランダム化臨床試験をグループAとし、非対照臨床試験および症例シリーズをグループBとした。エビデンスの質(研究デザイン、研究集団サイズ、被験者の質、および全体のバイアスリスク)と報告された結果の尺度、(特に発作頻度が50%以上減少した犬の割合)に基づいて、個々の研究を評価した。

結果
:特発性転換の治療として抗てんかん薬を使用した臨床的結果について報告した26の研究(2つの会議録を含む)が同定された。研究デザインと結果の尺度の不均一性は、メタ分析を不適切なものにした。4つの盲検化ランダム化臨床試験だけがグループAとなり、研究の中では高いエビデンスの質を提供しているものと考えられた。経口のフェノバルビタールとイメピトインの有効性は良いレベルのエビデンスによって支持され、傾向の臭化カリウムとレベチラセタムの有効性はまあまあのレベルのエビデンスによって支持された。残りの抗てんかん薬については、有効性について良い結果が報告されてはいるが、盲検化ランダム化臨床試験が欠如しているため、それらの使用を支持するのに十分なエビデンスはない。

結論
:特に経口のフェノバルビタールとイメピトイン、ならびに臭化カリウムとレベチラセタムは、特発性てんかんの治療に有効であるようだ。しかし、含まれた犬の特徴のベースラインが様々であり、研究デザインが研究間で優位に差があり、いくつかの潜在的なバイアスがあるため、信頼のおける推奨を不可能にしている。特発性てんかんのための抗てんかん薬の有効性を評価するために、多くの数を含む十分な規模の盲検化ランダム化臨床試験が必要だ。