Gommeren, Kris, et al.
"Cardiovascular biomarkers in dogs with systemic inflammatory response syndrome." 
Journal of Veterinary Emergency and Critical Care 29.3 (2019): 256-263.

PubMedリンクPMID:31034737
本文:無料公開あり(全文

タイトル
:全身性炎症反応症候群の犬における心血管系バイオマーカー

==アブストラクト===
目的
:入院中の犬における血漿B型ナトリウムペプチド前駆体N末端フラグメント(NT-proBNP)と心臓トロポニンT(cTnT)濃度を測定し、全身性炎症反応症候群(SIRS)の犬におけるこれらのマーカーを基礎疾患に関連づけ、予後因子としての可能性を評価すること。

デザイン
:前向き、観察、臨床研究。

施設
:大学病院の救急科。

動物
:救急科で検査を行なったSIRSの犬69頭を前向きに調べた。患者の年齢の範囲は5ヶ月齢から15歳齢であり、体重は5.5kgから75kgであった。

方法と主な結果
:来院時、退院もしくは死亡までの入院中、および対照として退院後最低1ヶ月の訪問時に、血液サンプルを収得した。NT-proBNPは商業的に入手可能な犬ELISAにより活性化し、一方cTnTは犬で以前に使用されている自動イムノアッセイで測定した。相関関数、線形モデルの混合関数、およびロジスティック関数を行なった。44頭が生存し、19頭は対照として訪問した。cTnT濃度は、0時間と1ヶ月時点よりも、12時間、24時間、72時間で有意に高かく、cTnTは入院中に検出されたが、対照で来院した犬のいずれでも検出されなかった。cTnT濃度の高値は疾患の分類と関係なく生存と負の関連を示した。NT-proBNP濃度は0時間、6時間、12時間の時点よりも、1ヶ月、24時間、72時間の時点で有意に高かったが、生存とは関連しなかった。

結論:NT-proBNPとcTNTの上昇はSIRSのイムで顕著であり、それは基礎疾患の病態に関係ない。非生存群では入院中のcTnT濃度が有意に高かった。