Floriano, Dario, Michael J. Sahagian, and Ludovica Chiavaccini.
"Impact of epidural bupivacaine on perioperative opioid requirements, recovery characteristics, and duration of hospitalization in dogs undergoing cystotomy: A retrospective study of 56 cases."
 
Veterinary Surgery (2019).

PubMedリンクPMID:31328291
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タイトル
膀胱切開を行なった犬において硬膜外ブピバカイン投与が周術期オピオイド要求量、回復の特徴、および入院期間に与える影響;56症例の回顧的研究

==アブストラクト===
目的:膀胱切開の手術時に麻酔下でオピオイドベースの鎮痛を受けた犬と、ブピバカイン硬膜外投与ベースでの鎮痛ベースをうけた犬において、周術期のオピオイド消費量と入院期間を比較すること。

研究デザイン:回顧的横断的研究。

動物:膀胱切開を行なった家庭犬56頭。 

方法:2015年1月から2017年12月の間に膀胱切開を行なった犬の臨床記録を再調査した。人口統計データ、麻酔時間と手術時間、麻酔管理、周術期のオピオイド消費量(モルヒネ相当量[ME]で示す)、周術期の追加鎮痛、初回排尿までの時間、食事までの時間、歩行までの時間、および入院期間についてを記録した。オピオイド消費量と入院期間は、ウィルコクソンの順位和検定によって比較し、次いで必要に応じて線形回帰分析が行われた。初回排尿までの時間、食事までの時間、支持のない歩行までの時間については、コックス比例ハザードモデルによりモデル化された。

結果
: ブピバカイン硬膜外鎮痛を行なった犬では、オピオイドベース鎮痛の犬に比べて、オピオイド必要量が1.5mg/kg少なかった(p=0.04)。ブピバカイン硬膜外鎮痛の犬19頭中3頭、オピオイド鎮痛の犬37頭中15頭で、術中の追加鎮痛が必要となった(p=0.06)。ブピバカイン硬膜外鎮痛の犬では、オピオイド鎮痛の犬に比べて、運動機能の回復に時間がかかった(p=0.01)が、排尿までの時間、食事までの時間、および入院期間について、両群間での差はなかった。

結論:膀胱切開のために麻酔をかける犬において、周術期のブピバカイン腰仙部硬膜外投与は術中のオピオイド消費量を減らした。

臨床的意義
:膀胱切開を行う犬における硬膜外ブピバカイン投与は、膀胱機能の回復や入院期間に影響を与えずに術中のオピオイド要求量を減らせる可能性がある。