Quimby, Jessica M., et al.
"Renal pelvic and ureteral ultrasonographic characteristics of cats with chronic kidney disease in comparison with normal cats, and cats with pyelonephritis or ureteral obstruction." 
Journal of feline medicine and surgery 19.8 (2017): 784-790.

PubMedリンク PMID:27389573
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タイトル:腎盂と尿管の超音波検査の特徴についての慢性腎臓病の猫と、正常な猫、腎盂腎炎の猫、または尿管閉塞の猫の比較 

==アブストラクト===
目的:この研究の目的は、安定した慢性腎臓病(CKD)の猫の超音波検査の特徴を記述し、腎盂腎炎と尿管閉塞のある猫と有意な差があるかどうかを調べ、尿毒症危機の臨床評価を支援することである。

方法:安定したCKDの猫66頭を前向きに登録し、同様に正常猫(10頭)、腎盂腎炎と臨床的に診断された猫(13頭)、外科的治療で確定された尿管閉塞の猫(11頭)も登録した。腎臓の超音波検査を行い、通常の静止画と動画を取得した。 腎盂拡張の程度と尿管拡張の存在・程度を分析した。Dun's事後分析によるノンパラメトリック一元配置分散分析によりグループ間の測定値の比較を行なった。

結果:CKDの猫の66%で測定可能な腎盂拡張があり、正常猫では30%、腎盂腎炎の猫では84.6%、尿管閉塞の猫では100%であった。CKD猫と正常猫、または腎盂腎炎猫と尿管閉塞猫との間で、腎盂の幅に統計的に有意な差はなかった。ほとんどすべての測定カテゴリで、尿管閉塞猫はCKD猫と正常猫と比べて腎盂幅が有意に大きかったが(p<0.05)、腎盂腎炎猫ではそうではなかった。安定したCKDの猫の6%で測定可能な近位尿細管幅の拡張が片側または両側でみられ、腎盂腎炎猫では46.2%、尿管閉塞猫では81.8%であった。CKD猫と正常猫の間、CKD猫と尿管閉塞猫、正常猫と尿管閉塞猫、および正常猫と腎盂腎炎猫の間で、近位尿細管幅に有意な差はなかった。

結論と関連性
:CKDと腎盂腎炎猫の間で腎盂幅に有意な差はなかった。これらのデータは、尿毒症危機の間に記録された異常をより良く解釈するためには、CKD猫でベースラインの超音波検査を行っておくべきことを示唆している。