Fenollosa‐Romero, Elena, et al.
"Outcome of phacoemulsification in 71 cats: A multicenter retrospective study (2006‐2017)." 
Veterinary ophthalmology (2019).

PubMedリンク PMID:31328856
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タイトル:猫71頭における水晶体超音波乳化吸引術の結果;他施設回顧的研究

==アブストラクト=== 
目的
:猫における水晶体超音波乳化吸引術の結果を調べること。

方法
:5つの紹介センターの猫71頭(82眼)の記録を再調査した。白内障の原因によってグループ分けされ(先天性/若齢性[n=32]、外傷性[n=33]およびぶどう膜炎からの続発性[n=6])、 最も一般的な合併症に対してグループの比較が行われた(術後高眼圧、ぶどう膜炎、角膜潰瘍、癒着/瞳孔異常、および後嚢混濁;それぞれ3つの異なる期間で[手術直後、術後1-90日、術後90日以上])。

結果
:追跡期間の中央値は198日(四分位範囲 64-518日)であった。12ヶ月追跡した猫の全体の視覚の成功率は92.6%(25/27眼)。術後高眼圧は35/82眼(42.6%)でみられた。手術直後に、ぶどう膜炎は最も一般的な合併症で28/82眼(34.1%)でみられ、ついで角膜潰瘍が22/82眼(26.8%)でみられた。術後1-90日では、ぶどう膜炎が41/81眼(50.6%)で術後合併症として残存しており、ついで癒着/瞳孔異常が21/81眼(25.9%)、角膜潰瘍が16/81眼(19.7%)、および後嚢混濁が15/81眼(18.5%)でみられた。術後90日以上では、後嚢混濁が17/47眼(36.1%)でみられ、ついで癒着/瞳孔異常が16/47眼(34%)で多い合併症としてみられた。術後1-90日における外傷グループの癒着/瞳孔異常の眼の数(13/33[39.3%])は、先天性/若齢性グループ(5/31[16.1%]) に比べて高かった(p=0.039)。他のグループ比較では統計的な差はみられなかった。すべての眼の中で、眼内炎、外傷後眼肉腫、および続発性緑内障によって3つの眼が摘出された。

結論
:猫における水晶体超音波乳化吸引術の術後では、短期ではぶどう膜炎、長期では癒着/瞳孔異常がもっとも多い合併症 であった。