Stillion, Jenefer R., and Jo‐Annie Letendre.
"A clinical review of the pathophysiology, diagnosis, and treatment of pyothorax in dogs and cats."
 
Journal of veterinary emergency and critical care25.1 (2015): 113-129.

PubMedリンク PMID:25582193
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タイトル:犬と猫の膿胸の病態生理、診断、および治療についての臨床的レビュー

==アブストラクト=== 
目的
: 犬と猫の膿胸の病態生理、診断、および治療について述べている最近の文献をレビューすること。」

病因:膿胸は、胸腔内蓄膿としても知られており、胸腔内への細菌性化膿性液体の貯留によって特徴付けられる。胸腔内への正確な感染ルートはしばしば不明のままであり、口腔および上気道が犬と猫で膿胸を起こす病原体の最もよくある起源のようだ。ヒトの医療では、膿胸は細菌性肺炎と進行性肺炎性滲出液に関連する一般的な病態である。

診断:胸部画像診断は胸水の診断に役立つが、膿胸の確定診断には胸水の細胞学的検査または細菌培養が必要だ。

治療:膿胸に対する治療のアプローチは非常に様々で、ヒト医療と獣医療の両方で議論の余地があるままだ。膿胸の治療はこれまで内科治療または外科治療に分けられており、抗菌薬の投与、間欠的または持続的な胸腔ドレナージ、胸腔洗浄、胸腔内繊維素溶解療法、ビデオ補助胸部外科、および従来の開胸術が含まれる。利用てできるすべてのオプションにも関わらず、短期および長期のアウトカムの成功(再発の回避を含めて)を確実なものとする理想的な治療は、わからないままだ。 

予後
:犬と猫の膿胸の予後は様々だが、適切な治療によって良いものとなり得る。近年の獣医療文献のレビューによって、報告された全体の生存率は犬で83%、猫で62%であることが明らかになった。小動物における膿胸の臨床症状はしばしば遅れて非特異的なものであり、そのため良いアウトカムのためには迅速な診断と治療が必要とされる。