Kolecka, Malgorzata, et al.
"Intraoperative measurement of intraventricular pressure in dogs with communicating internal hydrocephalus."
 
PloS one 14.9 (2019): e0222725.

PubMedリンク PMID:31560704
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タイトル:交通性内水頭症の犬における脳室内圧の術中測定

==アブストラクト=== 
脳室-腹腔ドレナージ後の側脳室の虚脱は、内水頭症のある犬での致死的な合併症である。それは脳脊髄液の腹腔内への過剰な排出(オーバーシャント)によって発生する。多くのシャントシステムでは、様々な
圧設定の一方通行性のバルブ が、オーバーシャントを防ぐために遠位カテーテルへの流れを制御する。適切な開口圧を選択する理由は、正常な頭蓋内圧の上限に設定するためだ。しかし、正常な犬での生理学的な頭蓋内圧は、5-12mmHgの間で変動する。さらに、我々は水頭症の犬における脳室内圧は正常な犬の圧とは異なるだろうと仮説を立て、人と同じように正常内圧の水頭症が犬にも存在するだろうと考えた。

水頭症の犬の脳室内圧を評価するために、新たに交通性内水頭症と診断された23頭の家庭飼育犬で、単回使用のピエゾ抵抗型ひずみゲージ(マイクロセンサーICPプローブ)を用いて埋め込み前の脳室内圧を調べた。MRIに基づいて、手術前の脳室容積と脳容積を測定した。総脳室容積は、大脳、小脳、脳幹を含む総脳容積に対する比で表現した(脳室-脳指数)。多重ロジスティック回帰分析を実施し、共変数”年齢”、”性別”、”臨床徴候の期間”、”体重”、および”脳室-脳指数” が脳室内圧に与える影響について評価した。水頭症の犬における脳脊髄液圧の平均は8.8mmHg(標準偏差 4.22)、範囲 3-18mmHgであった。共変数”年齢(p=0.782)”、”性別(p=0.162)”、”体重(p=0.065)”、または”脳室-脳指数(p=0.27)”は、脳室内圧と相関しなかった。しかし、手術前の臨床徴候の期間は、脳室内圧と相関した(P<0.0001)。

内水頭症の犬は必ずしも脳室内圧が上昇している訳ではない。正常内圧交通性水頭症は犬で存在する。