Fox, Philip R., et al.
"Long‐term incidence and risk of noncardiovascular and all‐cause mortality in apparently healthy cats and cats with preclinical hypertrophic cardiomyopathy." 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31605422
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タイトル:見かけ上健康な猫と無症候性の肥大型心筋症のある猫における非心血管性の死亡とすべての原因の死亡に関する長期的な発生率とリスク

==アブストラクト=== 
背景:見かけ上健康な猫(以下、健康猫)と無症候性の肥大型心筋症(HCM)のある猫における非心血管性とすべての原因による死亡に関する疫学的な情報は限られており、エビデンスに基づく医療ガイドラインの開発を妨げている。

目的: 健康猫と無症候性HCM猫における非心血管性およびすべての原因による死亡に関連した発生率、リスク、および生存の特徴を調べて比較すること。

動物:21カ国で、合計1730頭の家庭飼育猫(健康猫722頭、HCM猫1008頭) 。

方法:回顧的、他施設、縦断的、コホート研究。長期的な健康データは医療記録の再調査と飼い主/紹介元獣医師へのアンケートによって抽出した。

結果:非心血管性の死亡は、最大15.2年まで観察された猫の1730頭のうち534頭(30.9%)で起こった。非心血管性の死亡の割合は、研究登録時に健康であった猫と無症候性HCMであった猫との間で有意な差はなかった。腫瘍、慢性腎臓病、および慢性の体重減少-嘔吐-下痢-食欲低下の特徴をもつ病態が、非心血管性の原因による死亡として最も頻繁に記録された。非心血管性の死亡の発生率/リスクは、健康猫と無症候性HCM猫で年齢とともに上昇した。すべての原因の死亡の割合は、健康猫よりも無症候性HCM猫で高く(40% vs 65%;p<0.001)、それは無症候性HCM猫における心血管性の死亡率が高いからであった。健康猫と比べて無症候性HCM猫では、中央生存期間(研究への登録から非心血管性の死亡まで)に差はなく(健康猫 9.8歳齢、無症候性HCM猫8.6歳齢;p=0.10)、しかしすべての原因による生存は、無症候性HCM猫で有意に短かった(p=0.001)。

結論と臨床的重要性
:すべての原因の死亡は無症候性HCM猫で有意に多く、それは非心血管性の死亡に加えられた心血管性の死亡
の増加による疾患不可によるものであった。


==補足===
データはこの文献のものと同じもののようです。