Seksel, K., and M. J. Lindeman.
"Use of clomipramine in treatment of obsessive‐compulsive disorder, separation anxiety and noise phobia in dogs: a preliminary, clinical study."
 
Australian Veterinary Journal 79.4 (2001): 252-256.

PubMedリンク PMID:11349411
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:犬の強迫性障害、分離不安、騒音恐怖症の治療におけるクロミプラミンの使用;予備臨床研究

==アブストラクト=== 
目的
: 犬の強迫性障害、分離不安、騒音恐怖症の治療プロトコルの効果と耐忍性を評価すること。

デザイン:上記の行動障害状態を1つ以上診断された犬24頭におけるクロミプラミンと行動修正を含む治療計画の臨床的反応を評価するために研究を行なった。

方法:詳細な行動および臨床の病歴を各犬で収集した。強迫性障害は9頭で診断された;主な来院の訴えは、尾追い、影追い、旋回、咀嚼(chewing)であり、うち1頭は分離不安も診断された。分離不安は14頭で診断された;来院の訴えは、飼い主不在時の破壊、発声、逃亡であった。4頭は騒音恐怖症を示した。騒音恐怖症のみと診断された1頭と、不適席な恐怖反応を示す他の犬もふくまれた。クロミプラミンは1日2回経口投与された。開始用量は1-2mg/kgであった。必要に応じて用量を最大4mg/kgまで漸増した。行動修正プログラムが設計され、飼い主はその実施について指導をうけた。犬は臨床徴候が消えてから、あるいは容認できる程度に減少してから、最低1ヶ月投薬を継続し、その後、行動修正を続けながら毎週間隔で薬物投与量を減らすことで投薬の中止を試みた。

結果:主な臨床徴候は、16頭で概ね改善または消失し、5頭でわずかから中程度の改善を示し、3頭で行動に変化がなかった。クロミプラミンからの離脱は9頭で試みられ、うち5頭でうまくいった。

結論
:クロミプラミンは行動修正と併用することで、24頭の評価された症例のうち16頭で、強迫性障害および/または分離不安および/または騒音恐怖症の臨床徴候の抑制に、有効でよく許容され、ほかの5頭では臨床徴候が改善した。