Overall, Karen L., and Arthur E. Dunham.
"Clinical features and outcome in dogs and cats with obsessive-compulsive disorder: 126 cases (1989–2000)."
 
Journal of the American Veterinary Medical Association 221.10 (2002): 1445-1452.

PubMedリンク PMID:12458615
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル:強迫性障害のある犬と猫における臨床徴候と転帰;126症例(1989-2000年)

==アブストラクト=== 
目的
: 強迫性障害のある犬と猫における臨床徴候と転帰を調べること。

デザイン:回顧的研究。

動物:犬103頭と猫23頭。

方法:強迫性障害のある患者の記録を解析し、臨床的特徴、用いられた薬物、行動修正の程度、および転帰について調べた。

結果:強迫性障害に罹患したほとんどの犬はブリーダーから入手したものだった。雄犬は雌犬よりも明らかに多かった(2:1)。小さな集団ではあるが雌猫は雄猫よりも多かった(2:1)。罹患した犬のほとんどが、2人以上の人と他の犬または猫と一緒の家庭で暮らしており、なんらかの正式な訓練を受けていた。行動修正に対する飼い主のコンプライアンスは高かった。行動修正と薬物との組み合わせは、ほとんどの犬で強迫性障害の程度と頻度を大きく減少させた。クロミプラミンは、犬の治療でアミトリプチリンよりも効果的であった。1頭の犬と1頭の1猫だけが、研究中に強迫性障害のために安楽死された。

結論と臨床的意義
:犬の強迫性障害は、訓練の欠如、家庭での刺激の欠如、または社会的拘束とは関連していないようである。猫では、強迫性障害は環境的および社会的なストレスと関連している可能性がある。強迫性障害は社会的成熟時に現れ、散発性で遺伝的な形式をとることがある。適切な治療(一貫した行動修正とクロミプラミンによる治療)により、臨床徴候の強さと頻度はほとんどの犬と猫で50%以上減少する可能性がある。成功は飼い主の理解とコンプライアンス、および強迫性障害は治癒はできないがコントロールが可能であるという合理的な理解に依存している。