Ineson, Deanna L., Lisa M. Freeman, and John E. Rush.
"Clinical and laboratory findings and survival time associated with cardiac cachexia in dogs with congestive heart failure." 
Journal of veterinary internal medicine (2019).

PubMedリンク PMID:31317600
本文:無料公開あり(全文

タイトル:うっ血性心不全のある犬における心臓性悪液質と関連した臨床所見、検査所見、および生存期間

==アブストラクト=== 
背景:うっ血性心不全に関連する筋肉量の喪失である心臓性悪液質は、人では罹患率の増加と生存期間の短縮と関連しているが、犬における心臓性悪液質と生存との関連は報告されていない。

目的:うっ血性心不全のある犬における悪液質の罹患率と、臨床的、検査的、および生存のデータとの関連について調べること。

動物:うっ血性心不全のある犬269頭。

方法:回顧的なコホート研究。悪液質は以下の2つの定義のうちの1つによって定義した;(1)軽度、中程度、重度の筋肉量の喪失、または(2)12ヶ月以内の体重の5%以上の減少。

結果:269頭中130頭(48.3%)が筋肉量の減少をもとに心臓性悪液質ありとされ、事前に体重を測定していた犬159頭のうち67頭(42.1%) が体重減少をもとに悪液質ありとされた。筋肉量喪失に基づく悪液質のある犬は、有意に高齢(p=0.05)であり、不整脈があることが多く(p=0.02)、クロール濃度が高く(p=0.04)、ボディーコンディションスコアが低く(p<0.001)、ヘマトクリット値が低く(p=0.006)、アルブミン濃度が低かった(p=0.004)。多変量解析により、悪液質(p=0.05)、臨床的に重要な頻脈性不整脈(p<0.001)、高窒素血症(p<0.001)、体重不足/過体重(ともに p=0.003)、が生存期間の短縮に関連していた。

結論と臨床的意義
:うっ血性心不全のある犬において心臓性悪液質は一般的であり、有意な生存期間の短縮と関連する。これは、うっ血性心不全の犬における筋肉量喪失についての事前評価、診断、および治療の重要性を強調している。