Chetboul, Valérie, et al.
"Clinical, epidemiological and echocardiographic features and prognostic factors in cats with restrictive cardiomyopathy: A retrospective study of 92 cases (2001‐2015)." 
Journal of veterinary internal medicine 33.3 (2019): 1222-1231.

PubMedリンク PMID:30797441
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タイトル:拘束型心筋症のある猫における臨床的、疫学的、および心エコー検査的な特徴と予後因子;92症例の回顧的研究(2001-2015年)

==アブストラクト=== 
背景:拘束型心筋症は猫の一般的な原発性心筋症である。しかし、拘束型心筋症の猫の大集団における予後項目に関して利用できる情報はほとんどない。

目的:拘束型心筋症のある猫の疫学的、臨床的および心エコー検査の特徴を明らかにし、生存期間と心臓死におけるリスク因子を記述すること。

動物:拘束型心筋症の猫92頭。

方法:回顧的研究。拘束型心筋症は心エコー検査とドップラーの基準を基に診断された。カプランマイヤー法と多変量コックスモデルを用いて、心臓死までの中央生存期間と調整ハザード比をそれぞれ推定した。

結果:猫の集団(年齢中央値[四分位 範囲] 8.6歳齢[4.1-12.4];体重 4.0kg[3.7-4.7])には、心筋拘束型心筋症型の猫83頭(90%)と、心内膜心筋線維症拘束型心筋症型9頭(10%)が含まれた。多くの拘束型心筋症の猫(64/92, 70%)は診断時に症候性であり、うっ血性心不全に関連した呼吸困難が57/64頭(89%)でみられた。心筋拘束型心筋症型で追跡可能であった猫69頭の中央生存期間は、心臓死を考慮すると667日(範囲 2-3710日)であった。年齢、両心房の拡大、不整脈、心房-大動脈(LA/AO)比の増加(ハザード比 2.5/0.5単位増加;95%信頼区間 1.5-4.2;p<0.001)、重度の左心房拡大の存在(拡張末期LA/AO ≧2;ハザード比 3.4%;95%信頼区間 1.3-8.7;p=0.01)は、心臓死までの期間の短縮と有意に関連した。

結論と臨床的意義
:拘束型心筋症の猫では心臓死は一般的であり、左心房の拡大は生存期間の減少に独立して関連しているようだ。