Hutchins, R. G., et al.
"Vaginal microbiota of spayed dogs with or without recurrent urinary tract infections." 
Journal of veterinary internal medicine 28.2 (2014): 300-304.

PubMedリンク PMID:24467326
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タイトル
再発性尿路感染がある、またはない避妊済み犬の膣の微生物叢

==アブストラクト=== 
背景:正常な避妊済み犬と再発性尿路感染のある犬における膣の微生物叢に関して利用できる情報はほとんどない。膣の乳酸産生菌は、ヒトの女性で再発性尿路感染の頻度の減少と関連しており、雌犬の尿路内でも保護的な役割を果たしている可能性がある。

仮説/目的:再発性尿路感染の病歴のある避妊済みの犬では、健康な避妊済み犬と比較して、膣細菌叢における乳酸産生菌の割合が減少し、尿路病原性細菌の割合が増加しているだろう。

動物:再発性尿路感染の病歴がある中性化した雌の成犬21頭と、再発性尿路感染の病歴があない健康な中性化した雌犬23頭。

方法:この前向き研究では、犬を再発性尿路感染群と対照群に分けた。各犬から膣スワブによって細菌集団を分離し、特徴を調べた。

結果
:すべての犬の膣から分離された菌で最も多かったのは大腸菌(Escherichia coli)(11/44)とS. pseudintermedius(13/44)であった。 大腸菌は、再発性尿路感染症群の犬の膣から8/21(36%)で分離され、対照群の犬の3/23(13%)で分離された。乳酸産生菌は44頭中7頭で分離された。7頭中2頭は再発性尿路感染症群であり、5頭は対照群であった。

結論と臨床的意義
:再発性尿路感染症のある避妊済みの雌犬の膣の細菌叢は、健康な避妊済み雌犬の対照集団のものと類似していた。