Knight, Rebekah, and Richard L. Meeson.
"Feline head trauma: a CT analysis of skull fractures and their management in 75 cats." 
Journal of feline medicine and surgery 21.12 (2019): 1120-1126.

PubMedリンク PMID:30571454
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タイトル:猫の頭部外傷;75頭の猫の頭蓋骨骨折のCT分析とその治療

==アブストラクト=== 
目的:この研究の目的は、猫の頭部外傷による頭蓋骨骨折と併発損傷の構成と管理について記述すること。

方法:CTによって頭蓋骨骨折が確認され、保存的または外科的に治療された猫の医療記録とCT画像を再評価した。シグナルメント、徴候、 頭蓋骨骨折の構成、治療、再検査、および合併症または死亡率の詳細について記録して解析した。

結果
:75頭の猫(雄53頭、猫22頭)、平均年齢4.8±3歳齢の猫が、組み入れ基準に適合した。89%の猫で、下顎骨、上顎(上顎骨、切歯骨、鼻骨)とともに頭蓋骨の複数の骨の骨折があり、頭蓋顔面領域が最も一般的に罹患していた。側頭下顎関節の損傷が56%の猫で起きていた。交通事故が頭蓋骨骨折の最も一般的な原因であり、89%の猫で起きており、頭蓋骨の複数部位の骨折の原因となった。交通事故は高いレベルの併発損傷とも関連しており、特に眼、神経、および胸部の損傷と関連した。非交通事故性の猫では損傷はより限局していた。同数の猫が保存的または外科的(47%)に治療された。死亡率は8%であり、合併症は22%で報告された。来院時の年齢の高さと内側の上顎骨の骨折は、合併症の発症のリスク因子であった。死亡に関するリスク因子は同定されなかった。

結論と関連
:交通事故は、猫の頭蓋骨骨折の最も一般的な原因であり、頭蓋骨の多発性の骨折を引き起こし、併発損傷を頻繁に起こした。歯科咬合の問題は、治療後はまれであった。インプラントの緩みと不正咬合のリスクの増加は、口蓋骨と翼突骨の骨折および硬口蓋の損傷とともにみられた。この研究は、猫の頭蓋骨骨折、併発損傷、および治療手技に関しての有用な追加情報を提供している。