Cray, Megan, Laura E. Selmic, and Audrey Ruple.
"Salivary neoplasia in dogs and cats: 1996–2017." 
Veterinary Medicine and Science (2019).

PubMedリンク PMID:31849188
本文:無料公開あり(全文

タイトル:犬と猫の唾液腺腫瘍;1996-2017年

==アブストラクト=== 
目的:この研究の目的は犬と猫の唾液腺腫瘍について、現在の疫学情報を報告し、発生率と性別・品種素因を評価することである。

方法:獣医学データベースから26の大学獣医教育病院における唾液腺腫瘍の犬または猫(症例)と対照の情報を収集した。合計で犬56頭、猫24頭が唾液腺腫瘍の診断があるものとして同定された。

結果:唾液腺腫瘍の発生率は、犬で10万頭あたり15.3頭であり、 猫で10万頭あたり26.3頭であった。唾液腺腫瘍の特定の解剖学的部位は、犬と猫の両方の症例の90.8%で決定できなかった。単変量条件付きロジスティック回帰モデルの結果により、犬と猫において性別または中性化の状態は唾液腺腫瘍のリスクを増加させないことが明らかになった(犬 p=0.26、猫 p=0.45)。猫では唾液腺腫瘍の対する品種の好発はなかった。しかし、犬に対する条件付きロジスティック回帰において、プードル(トイ または スタンダード)は、雑種犬に比較して、オッズ比6.83(95%信頼区間 1.16-40.10)で有意な傾向を示した(p=0.075)。

結論と診療的意義
:この研究の結果は、好発犬種と腫瘍の位置について行われた過去の結論とは異なるものとなった。唾液腺腫瘍のリスク因子の決定に役立てるために、さらなる疫学的研究が 行われるべきだろう。