Allenspach, Karin A., et al.
"Correlating gastrointestinal histopathologic changes to clinical disease activity in dogs with idiopathic inflammatory bowel disease."
 
Veterinary pathology56.3 (2019): 435-443.

PubMedリンク PMID:30563436
本文:googlescholar経由で入手可能(全文

タイトル
特発性炎症性腸疾患のある犬における胃腸の組織学的変化と臨床疾患活動性との相関

==アブストラクト=== 
過去の研究では、炎症性腸疾患(IBD)の犬における組織学的病変と臨床活動性との間の信頼できる関連を検出できなかった。単純化された病理組織学的スコアリングシステムの使用は、胃腸の炎症の組織学的病変を記述する際の病理医間の解釈の一致を改善するだろうという仮説を立てた。私たちの目的は、この新しいシステムを用いて炎症性腸疾患の犬の病理組織学的変化と臨床活動性との相関を評価することである。

慢性腸疾患のある犬42頭と健康な対照犬19頭を、この回顧的研究に組み入れた。胃、十二指腸、回腸、結腸の内視鏡生検が、8人の病理医によって独立してスコア化された。臨床疾患活動性は、個々の検査センターに応じて、犬炎症性腸疾患活動性指数(CIBDAI)または犬慢性腸症臨床活動性指数(CCECAI)によってスコア化された。病理組織学的スコアと臨床活動性の合計は、それぞれの組織(胃、十二指腸、回腸、結腸)とそれぞれの組織の組織学的スコア(炎症/形態学的特徴)に対して計算された。

CCECAI /CIBDAIと病理組織学的スコアの合計の間には、十二指腸(r=0.42)と結腸(r=0.33)の間には有意な相関があった(p<0.05)。病理組織学的スコアと臨床活動性との間の関係に評価において、陰窩の拡張(r=0.42)、固有層のリンパ球(r=0.40)、固有層の好中球(r=0.45)、粘膜線維化(r=0.47)、乳糜管の拡張(r=0.39)、および絨毛発育阻害(r=0.43)に対して有意な相関が観察された(p<0.05)。初期のグレーディングスキームと比較して、単純化されたスコアリングシステムは、炎症性腸疾患の臨床的活動性に対して病理組織学的特徴(合計組織学的スコアと選択的な組織学的スコアの両方で)の活用を改善することが示された。