Salavati Schmitz, Silke, et al.
"Diagnostic features, treatment, and outcome of dogs with inflammatory protein‐losing enteropathy." 
Journal of Veterinary Internal Medicine 33.5 (2019): 2005-2013.

PubMedリンク PMID:31381203
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タイトル:炎症性蛋白漏出性腸症の犬の診断的特徴、治療および転帰。

==アブストラクト=== 
背景
:犬における慢性炎症性腸症(CIE)による蛋白漏出性腸症(PLE)は、しばしばグルココルチコイドと第2選択の免疫抑制剤の組み合わせで治療される。 この組み合わせによるアプローチは、すべての犬で必要なわけではない。

仮説/目的
:グルココルチコイド単独(グループP)またはグルココルチコイドと免疫抑制剤の組み合わせ(グループS)で治療されたPLEの犬の診断的特徴と転帰について記述すること。

動物:PLEの犬31頭。

方法
:病院のデジタル症例データベースを使い、2015年から2017年の間の慢性炎症性腸症/蛋白漏出性腸症の犬の診断手技、治療、および転帰からのシグナルメントデータを回顧的に解析した。低アルブミン血症と慢性炎症性腸症のある犬を含めた。段階的な治療アルゴリズムのため、犬をグループPまたはSに振り分けた。血清アルブミン濃度≧20g/Lになるまでの時間と、生存データを収集した。さらにアルブミンとコバラミンの血清濃度によって犬をさらに分類した。多変量および単変量解析と、ピアソン相関解析、カプランマイヤー生存分析を行った。

結果
:グループPには犬17頭が、グループSには犬14頭が含まれた。十二指腸のWASAVAスコア はグループ間で異なっていたが(p=0.05)、他の検査データに差はなかった。血清アルブミン濃度が≧20g/Lになるまでの時間の中央値は13日であった。治療開始後の中央生存期間は、グループPで85日(範囲 13-463日)、グループSで166日(範囲 8-390日)であった。

結論と臨床的意義
:臨床的反応、治療グループ、または転帰を予測するルーチンな診断検査はなかった。グルココルチコイド治療単独は、PLEの犬ので適している可能性がある。