Langlois, Daniel K., Amy M. Koenigshof, and Rinosh Mani.
"Metronidazole treatment of acute diarrhea in dogs: A randomized double blinded placebo‐controlled clinical trial." 
Journal of veterinary internal medicine 34.1 (2020): 98-104.

PubMedリンク PMID:31742807
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タイトル:犬の急性下痢のメトロニダゾール治療;ランダム化二重盲検プラセボ対照臨床試験

==アブストラクト=== 
背景
:メトロニダゾールは急性下痢の犬に一般的に投与されているが、この治療を支持する根拠は限られている。

目的
:急性の非特異的な下痢のある犬におけるメトロニダゾール投与の影響を調査すること。

動物
:31頭の犬、試験犬14頭と対照犬17頭を含む。

方法
:ランダム化対照臨床試験。通常の糞便検査で原因が特定できなかった急性下痢の犬を、メトロニダゾール治療(10-15mg/kg po 12時間毎 7日間)またはプラセボ投与に、ランダムに割り付けた。糞便培養とウェルシュ菌(Clostridium perfringens)の分離を行なった。飼い主は投薬と糞便スコアの記録を続け、7日目に糞便の診断検査を再度行なった。

結果
:下痢が改善する解消するまでの平均時間±標準偏差は、対象犬(3.6±2.1日)よりも試験犬(2.1±1.6日)の方が短かった(p=0.04)。急性下痢の発生機序とC.perfringensとの関係性の可能性は検出されなかったが、7日目に試験犬では3/13頭(23.1%)でのみC.perfringensのキャリアであり、対象犬では11/14頭(78.6%)が持続的な発育があった(p=0.007)。

結論と臨床的意義
:この結果は、メトロニダゾール治療は、急性の非特異的下痢のある犬の一部で下痢の期間を短縮させ、糞便中培養によるC.perfringensの検出を減少させることを示唆している。多くの犬では治療にかかわらず数日で下痢が治るため、こうした目的でのメトロニダゾールのルーチンな使用の利益とリスクについての評価には、さらなる研究が必要である。